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けがで出血したときの応急処置法

子供や高齢者の場合はしばしば、転んですりむいたりしてけがをします。出血があると、本人も周囲もあわててしまいがち。
そんな時に応急処置の知識があると役立ちます。

三種類あるけがによる出血

1.動脈性出血
真っ赤な血液が脈拍に合わせて波打つように血が噴き出るのが、動脈性出血です。動脈性出血は、緊急に応急処置を必要とします。大きな血管では瞬間的に大量の血液を失ってしまうため失血死の危険があります。細い血管であっても鮮紅色の血が噴き出ます。
また、急激に大量の血液を失うことで、出血性ショックの状態に陥ることもあります。
出血性ショックとは、大量の出血により血圧が下がり、全身の組織や臓器に血液(酸素や栄養)が十分運ばれない状態です。細胞の働きが保てなくなって脳や腎臓の機能が低下します。
2.静脈性出血
静脈性出血の場合は暗赤色の血液が、持続的に湧き出るように出血します。太い静脈からの出血はまれですが、ショック状態に陥ることになります。
動脈性でも静脈性でも出血ならば、けが人を元気づけながら、直接圧迫止血します。
3.毛細血管性出血
血がにじみ出るような場合が、毛細血管からの出血です。転んですりむいたり、指の先や腕を少し切った、という場合がこれに当たります。
このような出血は、そのままでいても血液は固まり、普通は自然に止まります。
傷口の開いた傷を創傷といい、切り傷や刺し傷がありますが、その程度によって、自宅で治療できるもの、すぐに医療機関に行かねばならないものがあります。
大きなけがや激しい出血の場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。

応急処置の基本

 戸外で転んですりむいたりして、傷口に砂や泥が付着している場合は、こすらないようにして水で洗い流す。水道水を当てて汚れを落とすようにする。
砂や泥がついているのに消毒さ夜を塗ると、かえって治療の妨げになることがある。
傷口に釘やガラス片が刺さっている場合、小さな物は出血に注意しながら取り除く。大きな物は、抜いてしまうことでさらに出血が激しくなることがあるので、そのままにして救急車を呼ぶ。

止血法

手・足の場合、心臓から血液が行きにくくするため傷口を心臓より高い位置に上げる。
出血している部位に直接ガーゼや清潔なハンカチを当て、押さえる。ほとんどの場合、この直接圧迫止血で止血できる。
包帯に血がにじんできたら、さらに新しい包帯やガーゼを重ねて止血する。

基本は直接圧迫止血法

間接圧迫止血法


1cmを超える傷口の場合や、脈拍にあわせてドクドクと出血しているとき、傷口から黄色い脂肪が見えるときは、家庭での治療は困難。すぐに救急車で病院へ。これらの場合は重度の傷で、縫合や輸血を行なう必要があります。
顔の傷の場合は、病院でできる限り傷跡が残らないような治療を受けましょう。家庭での治療では傷跡が残ってしまう場合があります。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年8月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載