健康情報 こんにちわ

 

脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症には大きくわけて、腰から下に症状がでる「腰部脊柱管狭窄症」と首や肩に症状がでる「頚部脊柱管狭窄症」があります。さらに、広範囲に症状がでる場合は「広範脊柱管狭窄症」として難病に指定されています。
今回はとくに、腰部脊柱管狭窄症を取り土げます。

間欠跛行

腰部脊柱管狭窄症の症状の代表的なものに、「間欠政行」があります。 間欠政行の特徴としては、歩き始めてしばらくすると、腰から腎部、太もも、ふくらはぎに痛みやしびれが起きますが、前かがみの姿勢や、しやがんで休息をとると症状が楽になります。
なぜこうしたことが起こるかというと、腰部脊柱管狭窄症の場合、背中側から脊柱管内の神経が圧迫されるためです。腰部脊柱管狭窄症の症状は腰椎椎間板ヘルニアと似ていますが、この点は、お腹側から神経が圧迫される腰椎椎間板ヘルニアと対照的です。
間欠鍍行が悪化すると、わずかな距離の歩行や数分立っているだけでもしびれや痛みが生じるだけでなく、安静にしていても症状がでる、あるいは排尿障害が起こることがあります。すでにこうした状態に症状が進んでいる場合は、至急、整形外科を受診してください。




腰部脊柱管狭窄症の治療

治療は、基本的に、薬物療法を中心とした保存療法です。
薬物療法には、中枢神経周辺の血流を改善する薬や、神経に直接働きかける薬があります。薬物療法で改善されないほど痛みが強い場合は、神経のそばに居所麻酔やステロイド薬を注射することで痛みを遮断します。これは神経ブロック療法と呼ばれます。これらの治療に加えて、コルセットの装着や温熱療法も有効です。
保存療法は、ほとんどの場合、3か月程度治療を続ければ症状の改善が見込めます。保存療法では症状が改善されない場合や、すでに神経の障害が進行している場合、排尿障害がある場合は、手術療法が検討されます。
腰部脊柱管狭窄症の手術療法で代表的なものは、「椎弓骨切り術」です。これは、神経を圧迫している椎弓という骨を切除することで症状を改善します。手術にかかる時間は1時間半から2時間程度。約2週間の入院が必要になります。
脊柱管のなかにある中枢神経は、一度障害を受けると再生しません。手術療法は高い治療効果が実証されていますが、神経の障害が進んでいる場合は、手術後もしびれが完全に取れないケースもあります。医師に詳しい話を聞いて治療を受けることが大切です。
手術のあとに合併症がなければ、筋力の低下を防ぐために比較的早い段階からリハビリテーションが始められます。そして、退院後もリハビリテーションを継続することで、再発を防ぎます。

腰部脊柱狭窄症の注意点

腰部脊柱管狭窄症には、初期の段階で対処することが最善です。早めに治療を行なえば、保存療法や生活改善で完治する可能性が高くなります。「加齢が原因なので仕方ない……」と放置することなく、間欠披行の症状がある場合は、かかりつけ医、できれば、整形外科の医師に相談してください。




-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年8月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載