健康情報 こんにちわ

 

失語症のケア

神経障害の一つである失語症は、高齢者の場合は特に、家族や周囲から認知症と勘違いされてしまうことがあります。失語症と一口に言っても、個人差がありいろいろです。周りの人が、本人の障害のタイプや程度をよく知って接することが大切です。

原因と症状

 高齢者の場合、ベッド上や車イスのまま食事をしなければならないことがあるかもしれませんが、食事は食卓についてイスに座って食べるのが、最も安全でおいしく食べられます。
しっかりと安定した姿勢をとることができれば、誤囁の心配もなくなります。ちょうどいい高さのテーブルにつき、背もたれのついたイスに座り、やや前かがみの姿勢が理想です。このとき、かかとまで足裏全体が床に着くような高さのイスにします。
片麻痺などの場合は肘掛のあるイスや車イスの使用で解決できるでしょう。

コミュニケーションの工夫

 コミュニケーションの工夫とはすなわち話し方の工夫です。失語症の人は、言いたいことがあっても、なかなか言葉が出てきません。「何がほしいの? 誰のこと?」と質問されても、簡単には答えられません。「はい、いいえ」で答えられるように聞くなど、質問の仕方を工夫してみましょう。
 失語症のリハビリテーションは、S Tと呼ばれる言語聴覚士により行なわれます。失語症と診断されたら、まずS Tのいる施設(病院や介護老人保健施設)で専門的な言語リハビリテーションを受けましょう。また退院後も利用できる制度やサービス、社会活動がありますので、ぜひ活用することをおすすめします。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年9月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載