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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は湿疹により強いかゆみをともなう病気です。症状によっては社会生活に多大な支障をきたします。
アトピー性皮膚炎の「アトピー」という言葉には、「とらえどころのない」という意味があります。この言葉は、アトピー性皮膚炎の原因が複雑に絡み合っていることを現しています。
 アトピー性皮膚炎は遺伝的要因(体質)に起因することが分かっていますが、病気の発症には、多岐にわたるアレルギーや精神的・肉体的ストレスが影響しています。
 原因を完全に取り除くことが困難で、様々な要因が絡むアトピー性皮膚炎は、完治することが難しい病気でもあります。また、アトピー性皮膚炎の症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すため、医師とよく相談して、あきらめずに治療を続けていくことが大切です。
 アトピー性皮膚炎の治療は、①薬物療法による症状の緩和とコントロール。②アレルギーやストレスをできるだけ取り除く。③スキンケアで皮膚を良い状態に保つ。これら3つを柱に進められます。

薬物療法による症状の緩和とコントロール

 アトピー性皮膚炎に対する治療は、薬物療法によって皮膚の炎症を抑えることが基本になります。
 薬物療法には、ステロイド外用薬、非ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏(免疫抑制剤)、保湿外用薬、そして抗アレルギー薬などの内服が用いられ、症状により、それぞれ単独で、または組み合わせて使用します。
 これらの薬剤のなかで、ステロイド外用薬に関しては、その使用に不安をもたれる方がいます。しかし、その不安の多くは、薬剤の不適切な使用によってもたらされた誤解がもとになっているようです。
 ステロイド外用薬は、症状に合った強さの薬を必要な期間にわたって使用すること、そして、一日に定められた回数使用することが基本です。
 ステロイド外用薬の間違った使い方で意外に多いのは、適量より少ない量しか使っていないケースです。この場合は十分な治療効果が得られず、薬の強さ、量をコントロールしながら進めていくアトピー性皮膚炎の治療に影響がでます。薬の使い方が間違っていないか、よく確認してください。

アレルギーやストレスをできるだけ取り除く

 アレルギーが原因でアトピー性皮膚炎が悪化する場合、原因となるアレルゲンを把握しておかなければなりません。
 アトピー性皮膚炎のアレルゲンのなかで年齢を問わず多くの患者にみられるのは「ダニ」 です。検査をすると、約7割の患者がダニに陽性を示します。ハウスダスト(部屋のほこり) のなかにもダニはたくさん含まれているので、部屋を清潔に保つことは、アトピー性皮膚炎対策として重要です。
 アレルギーには、食品が関係しているケースもあり、特に、消化器官の発達が不十分な乳幼児に多くみられます。治療を進めていくにあたって、場合によっては食事制限を必要としますが、子どもの成長に必要な栄養摂取とバランスをとっていく必要があります。ちなみに、4歳を過ぎる頃には、食品に対するアレルギー反応はずっと低くなります。
 アトピー性皮膚炎は、人間関係からくるストレスや、天候の変化による肉体的ストレスによっても症状が悪化することがあります。こうした要因を完全に取り除くことは難しいのですが、何が原因となって症状が悪化するか理解しておくことは必要です。

スキンケアのポイント

 アトピー性皮膚炎では、皮膚の状態に病原体の侵入に対する防御機能の低下が見られます。症状を悪化させないためにも、皮膚の清潔さ、および皮膚に水分・油分を保つようにしましょう。






-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年9月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載