健康情報 こんにちわ

 

内視鏡を知ろう

「内視鏡」というと、どのようなイメージを持たれるでしょうか?
内視鏡の実用化当初、「胃カメラ」とよばれていた時代を知る人は、辛い検査というイメージがあるかもしれません。しかし……

進化する内視鏡

 現在、内視鏡のレンズを内臓した管は、直径が6mm程度まで小型化されています。このため、胃や食道、十二指腸を調べる検査では、鼻から管を入れることができ、苦痛や負担は大幅に減らされています。
 胃カメラからの進化で大きく変わった点は、検査だけでなく、内視鏡を使った手術が可能になったことです。これは、カメラの映像技術や画像解析の進歩によってもたらされました。内視鏡を使った手術は、切開をともなう手術に比べて手術の時間はかかりますが、身体的負担が少なく、手術後の早期回復も期待できます。とくに内視鏡を使った早期がんの手術では、比較的大きな病変でも粘膜の切除によって取り除くことができるようになりました。こうしたことを受けて、内視鏡を使用した治療・手術への健康保険の適用範囲は、非常に広くなっています。

大腸がんから守る

 内視鏡は、大腸の検査・手術にも大いに活用されています。大腸にできたポリープに関しては、本人が希望すれば検査中に取り除くことも可能です。
 大腸に対して内視鏡を使用するには肛門からレンズの管を挿入することになり、その分、身体には負担がかかります。とはいえ、適度に鎮痛剤や麻酔を使用する医療技術も進歩し、身体への負担は大幅に減っています。不安な点があるときは、遠慮なく医師に相談しましょう。
 食生活の欧米化が進んだ日本では今後、大腸がんの発症が増加すると予想されています。大腸の異変に対して早期に対処できるように、定期的な検査を受けるようにしてください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年10月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載