健康情報 こんにちわ

 

介護を求めるほんとうの理由

高齢者が介護を求めるのはどんな理由からでしょう?
周囲の人はそのほんとうの理由を把握しておく必要があります。
身体が不自由になっても、人間らしい暮らし方まで放棄しているわけではありません。

具体的に高齢者の自立とは?

 老化や疾病・障害により日常生活にさまざまな支障がある高齢者であっても、より人間らしい生活を送りたいと望むことは当然のことです。
 個人の自立に加え、社会的にも満足できる生活ができていれば、「人間らしい生活がおくれている」と実感できるはずです。
 高齢者の自立できる社会をめざすとよく言われますが、具体的に「自立」というのは、「食事、排泄、入浴、歩行、衣類の着脱」の五つが他人の力を借りずにできることを指しています。
 しかし、老化という現象は人間にとってどうにもしようがないものです。この五つのうち、一つ二つ欠けたからといって社会のお荷物扱いをされたのでは人間の尊厳も何もありません。

人間らしい生活を考える

 高齢になり、前述の五つのうちのいずれかが欠けて介護の手が必要になっても、住み慣れた家や地域で尊厳のある自立した生活をおくることができるよう、周囲の人たちが支援することに介護の意義があります。
 地域自治体などでも、デイサービスによる入浴介助があったり移動のための車イスの貸し出しを行なっています。老化による不自由を最小限におさえ、安心して生活をしてもらうためのものです。
 高齢者が介護を求めるほんとうの理由は、介護者の援助によって家族や地域社会とのつながりを持ちつつ、日々の暮らしを楽しみながら明るく生きたいということでしょう。一人、あるいは夫婦だけで暮らす高齢者が、孤立・孤独・不安を抱えて生きていくのはとてもつらいことです。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2013年12月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載