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骨粗しょう症―骨貯金

骨粗しょう症を患う日本人は、現在1300万人と もいわれ、その多くを閉経後の女性が占めていま す。専門家によると「閉経後の女性の4人に一人 は骨粗しょう症である」との指摘もあります。 『骨貯金』……骨粗しょう症の予防には、10歳代 からの取り組みが重要なポイントになります

骨貯金

 骨は、破骨細胞によって古くなった骨を壊す「骨吸収」と骨芽細胞が新しい骨をつくる「骨形成」が、バランスよく行なわれることによって健康な状態を保ちます。しかし、閉経を迎えた女性は、エストロゲンという、破骨細胞の働きを抑える女性ホルモンの分泌が低下します。このことが影響し、古くなった骨が壊れていくスピードに新しい骨をつくるスピードが追いつかなくなり、骨が徐々にもろくなっていきます。
 加齢による骨密度(単位面積当たりの骨量)の低下は、避けられません。しかし、その影響をできるだけ少なくする方法があります。それが「骨貯金」 です。
 骨密度は20歳前後でピークに達し、そののち40歳代半ばまではほぼ一定ですが、50歳前後から急速に低下していきます。このことは、20歳のときの骨董を超える骨は、それ以後には形成されないことを意味しています。
 したがって、「20歳までにできるだけ多くの骨をつくり、それを貯めておく」 ことが重要なポイントになるのです。次に、40歳代半ばまで、骨貯金の目減りをできるだけ抑えていくようにします。

骨貯金を妨げるダイエットと偏食

 現代社会を生きる女性には、骨貯金をマイナスへともっていく要因がいくつも存在します。その一つが、ダイエットです。とくに最近は、10歳代から無理なダイエットに取り組む女性も増えてきました。
 適切なカロリー摂取量を考慮したうえで行なわれるダイエットは、健康にもよい影響を与えるでしょう。しかし、極端な食事制限によるダイエットには十分注意してください。丈夫な骨をつくり維持すべき時期にそれを阻害してしまうと、将来、骨粗しょう症を招きかねない危険性があります。
 偏食にも気をつけなければなりません。とくに、インスタント食品や加工食品で特定の商品に偏った食生活をしている人は要注意です。
 こうした食生活の危険な点は、栄養のバランスだけではありません。インスタント食品や加工食品には、カルシウムの吸収を阻害する働きをもつシュウ酸やリン酸の含まれた食品添加物を使用したものがあるからです。また、インスタント食品や加工食品には塩分が多く含まれている点も見逃せません。塩分を過剰摂取すると、せっかく摂ったカルシウムまでが尿として排出してしまいます。

骨貯金の目減りを防ぐ

 骨貯金は、カルシウムを含むバランスのよい食事と、適度な運動を心がけることで目減りを防ぐことができます。バランスのよい食事は骨に良質の栄養を供給し、運動で負荷をかけることによって骨は強度を増すからです。
 その他にも、以下の項目に注意しながら、骨貯金を維持していきましょう。
●たばことお酒……
 たばこは食欲を抑制し女性ホルモンの分泌を妨げるので、カルシウム摂取には悪影響があります。また、アルコールの利尿作用はカルシウムの排出につながるといわれています。
●日光浴……
 カルシウムを身体が取り込むためには、ビタミンDが不可欠です。ビタミンDの多くは、日光に当たることで皮下に形成されます。日光浴といっても、昼間の30分ほど家の外にいるだけで十分です。部屋やオフィスに閉じこもっているという人は、日中、軽い散歩を
●腸の健康に注意する……
 骨をつくるのに必要なカルシウムは、腸から吸収されて骨に取り込まれます。腸を健康に保つことは、骨粗しょう症予防の鍵になります。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年01月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載