健康情報 こんにちわ

 

口腔内の健康と喫煙

 喫煙が、全身の健康に深刻な悪影響を及ぼすことは多くの人が知るところとなりました。ところが、「口腔内の健康」への影響に関しては、歯の色や口臭以外、若干軽視される傾向にあります。
 しかし、喫煙と口腔の関係で怖いのは、歯周病の悪化や歯を失うことです。
 調査によると、一日20本以上喫煙している人が歯周病になるリスクは、非喫煙者に比べて4~6倍です。さらに、歯を9本以上失うリスクは、約2倍とされています。こうした数字は、喫煙本数や年数が増えるほど、さらに高くなります。
 健康な歯肉はピンク色をしています。これは、多数の毛細血管が存在する歯肉において、血液の流れがよい状態を反映しています。
 喫煙時に煙草の煙を直接受ける歯肉は、煙草に含まれる有害成分であるニコチンを直に粘膜から吸収します。このとき、血管を収縮させる作用をもつニコチンによって、歯肉の毛細血管の血液の流れが低下します。喫煙習慣の長い人の歯肉が黒っぼく見えるのはこのためです。
 喫煙によって歯肉の血流が悪くなると歯肉は硬くなり、歯との間に大きな隙間が生まれます。
 歯周病は、歯肉に細菌が繁殖することによって起こります。硬くなり、歯との間に隙間のある歯肉は、細菌にとっては繁殖しやすい環境です。やがて細菌は歯の根の組織を破壊し、歯を失わせます。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年02月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載