健康情報 こんにちわ

 

生活習慣の改善に! 「特定保健指導」

 「特定健康診査(特定健診)」「特定保健指導」・「特定保健指導」とは、40歳以上75歳末満(年度途中に75歳に達する人を含む)の被保険者及び被扶養者を対象とした健診・保健指導です。メタボの予防・解消に重点をおいた、生活習慣病予防のためのものです。各医療保険者には実施が義務づけられています

高齢化で増えるメタボと生活習慣病

 高齢化が進む現代において、病気全体のなかでがんや心疾患、脳血管疾患(脳卒中など)、糖尿病といった生活習慣病が占める割合が増えています。
 これらの生活習慣病は、別々に単独で進行していくわけではなく、いずれも内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満=メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)がかかわっているのです。
 内臓脂肪が増えすぎてお腹に溜まっていると、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生活習慣病を併発しやすくなります。しかも、「血糖値がやや高め」「血圧がやや高め」といった、まだ病気予備群の段階でも、二つ以上が併発することで、動脈硬化が急速に進行していくのです。
 このように油断のならないメタボですが、メタボと判定される人とその予備軍とを合わせると、40歳以上の男性では2人に1人、女性では5人に1人が、メタボあるいはその予備軍と考えられています。
 また、生活習慣病の治療費は国民医療費の約3割を占め、死亡数の割合(死因別死亡割合)では約6割に達します。

国民医療費の3割を占める生活習慣病

 このような現実に対して、国民の生涯にわたっての健康維持を考えたとき、メタボや生活習慣病の予防と重症化を防ぐことは、未来への課題と考えられます。そしてそうした取り組みの一つが「特定健康診査(特定健診)」・「特定保健指導」です。
 生活習慣病については、中年になる以前の生活習慣を改善すれば、その予防や重症化、合併症を避けることができると考えられます。そこで生活習慣を見直すために「特定健康診査」の実施や、その結果、メタボと判定された人及びその予備軍について、各人の現在の状態に合った生活改善をサポート(「特定保健指導」)するというものです。
 「特定健康診査」では、右ページの表のような項目を実施します。さらに「特定保健指導の対象者」とその「指導内容」についても表を載せてみました。
 運動期間である平成24年度までの「健康日本21」においては、国民すべてが健やかで心豊かに暮らせる社会をめざし、健康寿命を伸ばし、壮年期死亡の減少、生活の質の向上を実現するため、食生活・栄養、身体活動・運動などの9分野について具体的な目標を掲げ推進しました。
 それでも例えば野菜摂取量は減少し続け、朝食を摂らない人の率も大きく改善されてはいません。
 太りすぎの男性が増える一方、やせすぎの女性も増えていて、まだまだ課題は多くあります。

「特定保健指導」を積極的に利用しましょう

 各自治体の保健所・保健センターではそれぞれの地域の健康増進計画に沿って、運動指導・栄養指導などを行なっています。各自治体の窓口に相談してみましょう。
 健康で長生きすることは、誰もが望む幸せな老後の目標です。自分自身の健康を守るためにも、「特定健康診査」・「特定保健指導」を、ぜひ積極的に利用することをおすすめします。



-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年05月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載