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前立腺肥大症

 尿漏れは、尿道が男性より短く、また出産によって骨盤底筋が緩むことが起こる、女性に多くみられる症状です。ところが最近では、尿漏れを訴える男性も増えており、話題となっています。
 男性の尿漏れの原因の一つは、「前立腺肥大症」です。
 前立腺は、健康な状態では3mほどの大きさで、40歳を過ぎたころから加齢とともに大きくなっていく傾向があります。このため前立腺の肥大は、60歳以上で7割、80歳以上では8割の人にみられるとされています。
 前立腺が肥大すると前立腺のほぼ中心を通る尿道が圧迫され、尿道や膀胱に尿が残ります。この残った尿が尿漏れにつながっています。ちなみに、少量の尿漏れを排尿後に起こす男性が加齢とともに増えます。これにも前立腺の肥大が影響している場合があるようです。
 前立腺肥大の治療は、症状が比較的軽い場合は、自律神経の働きや男性ホルモンを抑える薬物を使用した治療が、排尿がままならないほど症状が重い場合は、前立腺を小さくするか切除する手術療法が検討されます。
 尿漏れを自覚していても病医院への受診をためらう人は、性別に関係なくみられます。尿漏れは、生活の質をいちじるしく落とす要因です。しかし、適切な治療を行なえば改善が期待できます。ぜひ、病医院を受診して治療を受けるようにしてください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年06月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載