健康情報 こんにちわ

 

メイクセラピー

メイクセラピーという言葉は、耳慣れない人も多いかもしれません。メイクはお化粧、セラピーとは薬を使わず手術などもしない治療法のこと。――と書くと、「そんな治療、あるの?」と首をかしげられてしまいそうですが、認知症の女性高齢者にメイクをすると、表情がイキイキしてきたりするものです

メイクセラピーは内面からの治療

 メイクは「美しく見せる」という外見的な効果だけでなく、心にも大きな影響を与えます。認知症の女性がメイクをしてもらうことで、自身の若い日を思い出してイキイキとした表情になったりすることは、しばしばあります。こうした心理的効果により、高齢になっても自分を美しく飾ることで、失われつつあった積極性や自信、社会性といったものを取り戻すことができます。それがメイクセラピーです。  メイクセラピーは、メイクをしながら、これまでの人生を振り返ってもらい、思い出やその人個人の歴史を聞くという、回想法と呼ばれる心理療法を行います。

いくつになっても美しくいたい

 さらにメイクセラピーの効果としては、それまで沈んでいた人が明るく活発になることや、苦のよい思い出、楽しかったことを思い出して元気になることがあります。若い女性がお化粧することでウキウキしたりするのと同様のことが、高齢者にも起こるのです。いくつになっても女性は美しくありたいものですし、美しく装うことで気持ちも前向きになれます。高齢者の話を受容的にしっかり聞いてあげてください。
 また、自身の思い出は小さな歴史です。それを大切に受けとめてもらい、共感のうなずきを得られるだけで、心は豊かな喜びにあふれます。
 最近では心理カウンセリングへの関心の高まりもあって、「メイクセラピー検定」もでき、資格取得を目指す人も増えています。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年08月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載