健康情報 こんにちわ

 

セロトニン

 不安神経症をはじめ、うつ病や精神面に大きな影響を及ぼす病気の治療には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がよく処方されます。この薬は、脳神経細胞のなかへセロトニンが無駄に取り込まれることを防ぎ、結果的に脳内のセロトニン量を増やす目的で使用されます。
セロトニンは、脳内神経伝達物質の一つです。脳内神経伝達物質には、セロトニンのほかにも、ドパミンやアドレナリンといったものがよく知られています。人間の脳は、こうした物質を状況に応じて取り込むことで、精神をコントロールしています。
セロトニンには、心を安定させる働きがあります。このため、セロトニンの不足は、気分の落ち込みや不眠を引き起こします。
 セロトニンは、トリプトファンという物質を材料として合成されます。ただし、人間の身体では、このトリプトファン自体を生成することはできません。このためトリプトファンは、おもに肉類や魚介類といった食物を通して摂取することになります。
 さらに、トリプトファンからセロトニンを合成するには、ビタミンB6が必要です。このビタミンB6もほとんどは食物から摂取しています。
 こうしたことからも、心の安定には、食生活が大きな影響を与えていることがわかります。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年08月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載