健康情報 こんにちわ

 

寝たきりの家族と向き合う

寝たきりの家族がいると、周囲の家族はあれこれと気を使い、生活の援助を行います。ある程度以上に動けないといっても、ただ安静にしていればいいというものではないこともあります。

廃用症候群にさせない工夫

 全身の機能低下が著しい、寝たきりの高齢者は、自立した生活がかなり困難な状態といえます。そのため長引く安静の状態から、廃用症候群になることが多く見られます。生活不活発病とも呼ばれることからもわかるように、身体を使わないことから起こる機能低下のことで、体力だけでなく、記憶力の低下や自分でやろうとする意欲の低下も含まれます。
 日常生活で、着物を畳んだり、自分の身の回りのことはできる限り自分でやることで、廃用症候群を防ぐとともに、リハビリの効果による機能の回復も期待できます。ただし、決して無理をしないよう、かかりつけ医と相談、自分でできること・やることを決めて行なうようにしましょう。

尊敬の念を忘れないことが大切

 家で寝たきりでいる高齢者に対しては、「かわいそう」という目で見てしまうことが少なくありません。そうした同情や哀わみの目で周囲から見られることは、本人にとってとても辛いことです。
 家族や周囲にさまざまな負担をかけて生きている自分自身への嫌悪感なども生まれますが、それを取り除いてあげられるように接したいものです。そんなところから心の安らぎが生まれます。
 そのためにはあらゆる場面で、本人が大切に思われている存在であることを実感できるように接しましょう。
 自分で決めたことを尊重し、座位時間を増やして、ベッド上で上肢や下肢を動かす運動をさせます。そうした際も一人でさせるのではなく、声をかけてあげてください。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年09月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載