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心と体の危険信号! 胃潰瘍

 胃酸は、胃粘膜を溶かすほど強力な酸です。とはいえ通常は、胃粘液の働きで胃粘膜は胃酸から守られています。さて、胃酸にも耐える強力な菌が胃には存在しています。ヘリコバクターピロリ菌(通称・ピロリ菌) です。
 胃の粘膜が傷つけられて起こる、胃潰痩。その原因の多くは、このピロリ菌の増殖によります。

胃潰瘍ってどんな病気?

 私たちが食べたものは、胃のなかで強い酸性の胃酸や消化酵素を含む胃液によって消化されます。このとき、胃自体が消化されて溶けてしまわないように胃粘液がガード役として分泌されます。  胃潰瘍は、胃粘液のガードを打ち破る因子によって、胃が傷つけられることによって起こります。胃粘液のガードを打ち破る因子としてもっとも強力な存在が、ピロリ菌です。
 胃潰瘍の原因の7~8割は、ピロリ菌の感染によるものです。他の原因としては、非ステロイド系抗炎症薬の影響が考えられます。そして、胃潰癌において注意したいことは、ストレスやアルコールの過剰摂取、暴飲暴食、喫煙が、胃潰瘍の誘発因子として存在することです。
 こうしたことから、胃潰瘍の治療にはピロリ菌の除去が、胃潰癌の予防にはピロリ菌の感染予防と生活習慣の改善が必要になります。


胃潰瘍の治療法と生活改善

 胃潰瘍の治療には、ピロリ菌除去のための抗菌薬や抗潰瘍薬を使用した薬物療法が主体となります。
 胃潰瘍には、急性胃潰瘍と慢性胃潰癌の2種類があります。
 急性胃潰癌は、ピロリ菌や薬物の影響ももちろんですが、度重なるストレスや、アルコールの過剰摂取、暴飲暴食、喫煙といった生活習慣が病気の誘発因子となります。
 さまざまなストレスを抱え込んでしまい、その解消のために暴飲暴食に走ったり、イライラする心を静めようとしてお酒やたばこの量が増えたりといったことは、しばしば聞かれます。
 食事も、いくら忙しいといっても胃に負担がかかる早食いは禁物。ゆったりした気持ちで食べなくては味もわかりません。さらに香辛料を多く使った料理や、酸味が強すぎるメニューなども、胃にダメージを与えます。
 胃潰瘍は進行すると吐血や下血などの症状が見られることもあります。
 正しい胃酸分泌を促すためには、食事をきちんととることが必要です。毎日3食、栄養のバランスが良く消化しやすいものを、決まった時間に食べるよう心がけましょう。


-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2014年12月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載