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肝臓のしくみと病気

 肝臓の働きでもっとも知られているのは、アルコールとの関係でしょう。
肝臓にはそのほかにも500種類ともいわれる、さまざまな働きがあります。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、病気になっても、かなり症状が進まないと自覚症状を感じにくい臓器でもあります。
とはいえ、肝臓の働きは身体の健康に重要な影響があるため、身体がだるい、疲れやすいといった症状きえも肝臓に原因がある可能性もあります。
一番大切なことは、肝臓の状態を知ることです。それには、定期的な健康診断と、肝炎ウイルス検査が必要です。

肝臓の働き

 肝臓は、人体に吸収された物質を分解・処理し、解毒したり、必要な物質に変える働きを担っています。また、肝臓には、処理した物質を蓄え、必要に応じて送り出す役割もあります。
 肝臓は、肝細胞という1mmの500分の一ほどの小さい細胞が無数に集まってできています。これらの肝細胞の一つひとつが、2000種類以上ともいわれる酵素(物質を分解するための分子)を使って、知られているだけで500種類以上の化学処理を行なっています。

肝臓の病気

 肝臓の病気は、大きく二つに分けられます。  一つは、おもにウイルスへの感染が原因で、多数の肝細胞が死滅することによって起こるケース。肝細胞は死滅すると、硬い繊維組織へと変化し、元には戻りません。これが、「肝硬変」 です。
 もう一つは、肝臓の貯蔵システムの停滞によって起こるケース。肝臓には脂肪を蓄える役割がありますが生活習慣や食生活によっては、肝細胞の働きを阻害するほど大量の脂肪が肝臓に溜まることがあります。こうした状態の肝臓は、「脂肪肝」といいます。





肝臓の状態を知るためには

 肝臓は、「沈黙の臓器」「物を言わぬ臓器」とも呼ばれています。
 肝臓には痛みを発信する神経が臓器の表面にしかないため、内部が破壊されても自覚症状が起こりにくいことと関係しています。
 ところで、健康診断を受けている方は、「ALT(GPT)」「AST(GOT)」「γ・GTP」といった項目を目にされていると思います。
 これらは、肝細胞が破壊されると血液のなかに溢れだしてくる物質の名前です。このため、これらの物質の数値が高いほど、肝細胞の破壊が進行していると考えられます。異常に対して自覚症状がでにくい肝臓では、とても重要な検査項目です。
 同時に健康診断の項目でいえば、肥満にも目を向けるようにしましょう。健康診断でBMI(肥満指数)が高い人は、肝臓にも脂肪がついていることが考えられます。










肝硬変・肝臓がんのリスクを減らす

 肝臓の病気は、肝炎から始まり、肝硬変や肝臓がんに悪化していきます。また、脂肪肝は肝炎につながる状態です。
 現在、肝硬変や肝臓がんを患う人は増加しています。しかし、これら肝臓の病気を患うリスクは、ウイルス検査を受けることや生活習慣を見直すことで、大幅に減らすことが可能です。
 とくに、肝硬変や肝臓がんの原因の95%を占める肝炎ウイルスの検査は重要なので、まだ検査を受けたことのない人は、検査を受けるようにしてください。※生活ほっとニュース参照

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年02月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載