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高血圧と内臓脂肪-肥満対策で高血圧を改善-

「肥満」「高血圧」「内臓脂肪」とくれば、「要!ダイエット」という言葉が思い浮かびます。私たちは肥満が健康上、よくないということは何となくわかっています。肥満や内臓脂肪の蓄積は、どうして危険なのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

高血圧はなぜコワイの!?


 高血圧になると何がいけないのでしょうか?そもそも高血圧とはどんな状態を指していうのでしょうか?
 まず、血圧ですが、これは血液が血管のなかを通るとき、血管にかかる圧力のことをいいます。手首で脈をとると、ドクンドクンと心臓が鼓動しているのが感じられます。心臓がギユツと収縮して血液を押し出した瞬間が、最も血管に強い圧力がかかります。これが収縮期血圧=最高血圧です。そして収縮後、心臓が拡張すると圧力が最も低くなりますが、これが拡張期血圧=最低血圧です。高血圧は、収縮期血圧と拡張期血圧のどちらかが高い場合でも高血圧とよびます。
 では、高血圧になってしまう原因ですが、原因はさまざまあって、特定できない場合がほとんどなのです。そしてまた、自覚症状もほとんどありません。
 高血圧を放置してしまうと、血管が硬くなってしまう動脈硬化になり、それが原因となって特にたくさんの血液を必要とする脳や心臓などに悪影響を及ぼし、虚血性心疾患と呼ばれる狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの発作を起こす危険があります。

内臓脂肪と高血圧の関係

 「内臓脂肪が増えると高血圧になりやすい」といわれます。実際に、内臓脂肪が多い 「メタボ体型」の人は、高血圧である割合がかなり高いという結果があります。
 メタポリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積に加えて、「脂質異常」「高血糖」「高血圧」のうち、2つ以上該当した状態をいいます。この状態では動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性がグンと高まります。
 消費するエネルギーよりも供給するエネルギーが多くなると、内臓脂肪は蓄積されます。
 ここで重要なことは、内臓脂肪はただ体内の臓器にへばりついているだけではなく、過剰に溜まってしまった内臓脂肪は、血圧と血糖値を上昇させる成分を分泌するということです。
 それで、内臓脂肪が多い人は高血圧になりやすいのです。

メタボにならない食生活

 さて、内臓脂肪が多いと高血圧になりやすい、ということまでわかりました。
 では、高血圧の先にある狭心症や心筋梗塞などの心臓病や脳卒中を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。
 答えは「肥満を予防する」こと、といえます。
 必要なエネルギーを超える食生活から「メタボ」になり、さらにメタボになると同時に内臓脂肪が増え、高血圧になるというメカニズムを理解すれば、おのずとこの答えは導き出されるはずです。
 日頃の生活習慣を見直し、メタボを予防しましょう。メタポリックシンドロームの診断基準を載せましたので、当てはまるか確認してみましょう。
 そして高血圧対策として、もう一つ大切なことは「塩分摂取量を減らす」こと。こちらも肥満対策と同時に意識しましょう。
 新鮮な野菜や果物に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排泄する作用があります。ですから高血圧の人は、塩分をとる量を減らすとともに、カリウムをしっかりとるようにしましょう。
 春になってウオーキングにもよい季節です。こうした軽い運動を習慣にすることで、肥満を防ぎ高血圧を改善・予防できます。ぜひ、始めてみましょう。
 食生活の改善と運動不足の解消で、高血圧と内臓脂肪をしっかり防いで、健康な毎日を過ごしましょう。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年05月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載