健康情報 こんにちわ

 

過敏性腸症候群

5月病という言葉があるように、この時期にストレスから体調を崩してしまう人も多いようです。
通勤・通学時、あるいは授業・仕事中における突然の激しい便意(下痢)や、便意を感じているのに便通が起きない(便秘)は、ほんとうに辛いものです。
もし、こうした症状が続いている場合は、過敏性腸症候群(IBS)という病気の可能性もあります。

ストレスからくる下痢や便秘

 腸は、第二の脳とよばれています。腸と脳は自律神経によってつながっていて、脳がストレスを感じると腸の働きに変化が起きる仕組みになっているからです。脳からストレス信号を送られた腸の働きが過剰になると下痢に、腸の働きが不規則になると便秘になります。
 過敏性腸症候群の原因はまだ解明されていませんが、ストレスが悪化要因になることは知られています。過敏性腸症候群に悩む方は、精神的ストレスへの対策を行なうことが必要です。
 また、身体的ストレス(過労、睡眠不足、不規則な食生活)も過敏性腸症候群の悪化要因です。生活習慣の改善にも取り組んでいくようにしましょう。

腸の知覚過敏

 過敏性腸症候群は、「腸の知覚過敏」ともよばれています。腸の活動にはセロトニンという物質が関係していますが、過敏性腸症候群を患う方のなかで下痢を訴える人には、このセロトニンの働きが過剰になっているケースが多くみられます。
 セロトニンの働きを抑えるには、「セロトニン3受容体拮抗薬」を服用することが高い治療効果をあげています。
 セロトニン3受容体拮抗薬の使用には、医師の処方が必要です。過敏性腸症候群の症状に対して長期間に渡って市販薬を使用している場合は、病医院を受診して医師に相談してください。
※セロトニン3受容体括抗薬は、現在のところ、過敏性腸症候群によって下痢を起こす男性患者に使用されます。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年05月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載