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熱中症対策 ―暑熱順化

気象庁の予想によると、今年の夏は、”平年並み”と発表されています。しかし、1980年以降、夏の平均気温が上昇傾向にあるため、平年並みといっても暑さの厳しい夏になることに変わりありません。熱中症への十分な注意が必要です。
 熱中症対策には、こまめな水分補給と生活環境の暑さ対策が欠かせません。それと同時に、この時期、ぜひ取り組んでいただきたい熱中症対策があります。それは、「暑熱順化」です。

暑熱順化とは

 暑熱順化とは、暑さに対して適切な体温調整ができるように、発汗機能が高まっている状態をいいます。
 身体は発汗によって体温を調節しますが、熱中症は、暑さによって発汗機能が乱れて体温が上昇することで起こります。暑熱順化した身体は、こうした事態に対して非常に高い防御力を発揮します。
 暑熱順化した身体で特徴的なことは、塩分の少ないサラサラの汗をかきやすくなることです。熱中症では、汗によって体内の塩分が失われることで重篤な症状をもたらしますが、身体が暑熱順化していればこうした状態が起こりにくくなります。

暑熱順化させるために

 身体を暑熱順化させるにはどうしたらよいのでしょうか?
 かつては、梅雨の暑さが日本人にとっては暑熱順化に役立っていました。エアコンがなかった時代の日本人は、梅雨の蒸し暑さに身体を慣らすことで発汗機能を高め、自然と夏の猛暑に備えていったのです。しかし、地球温暖化が顕著な現在、こうした暑熱順化の方法は多くの危険や不快感がともないます。
 現在、お勧めできる暑熱順化の方法は、適度な運動を習慣化することで発汗機能を高める方法です。それと同時に、半身浴によって意図的に汗をかくようにすることも有効です。
 暑熱順化は、一週間~10日でできます。梅雨時の身体の変化に注意して、夏の熱中症に備えるようにしていきましょう。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年06月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載