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脳梗塞の注意報!?一過性脳虚血発作

 過性脳虚血発作(T-A)とは、脳に行く血液の流れが一過性(一時的なものですぐ消えること)に悪くなり、運動・感覚障害などの症状が現われにその症状が完全に消えてしまいますが、「脳梗塞の前触れ」として非常に重要な症状です。

どんな病気?原因は?


 一過性脳虚血発作は、脳への血液の流れが一時的に悪くなり、運動まひや半身まひ、言語障害、視力障害、感覚障害といった症状が現われますが、24時間以内、ほとんどの場合は数分から数十分以内にその症状が消えてしまうものをいいます。
  英語の 「transient ischemicattack」=「一過性の・血流が乏しくなる・発作」 の頭文字から、「TIA」 ともよばれています。
  旦ハ体的には突然腕や足に力が入らなくなり、持っているものを落としてしまったり立ち上がれなくなったりします。
  気持ちはあせりますがどうにもならず、「さあ、困ったぞ!」と思っているうちに、しばらくすると、手足が元通りになります。その他の症状が出た場合も同様に、しばらくすると回復します。
  症状が一時的ですぐにおさまり、困った症状が治ってしまうことで「なーんだ、何ともないや!」と安心し、ふつうの生活に戻ってしまいます。
  本当に何ともないのでしょうか?。

脳梗塞とはどんな病気?

  一方、脳梗塞についてですが、脳の血管が詰まることで機能が停止、何らかの症状が現われますが、脳の機能はそれぞれの部位で違うので、損なわれた場所によって症状は違ってきます。いずれにしても、血栓がその場所で詰まったまま酸素や栄養がその先に行き渡らなくなります。その結果、脳細胞が死んでしまい、運動まひなどの症状が残り、その組織の障害が元に戻らないほどになると、脳梗塞とよばれる状態になります。

一過性脳虚血発作が疑われるのは?

一過性脳虚血発作の症状は、脳の動脈が詰まる場所によってさまざまです。
  典型的な症状としては、片側の手足や顔面まひなどの運動障害、片側の手足や顔のしびれや感じ方が鈍くなるなどの感覚障害、ろれつが回らなくなったり言葉が出ないなどの言語障害、片方の目が見えにくくなる視力障害や視野障害があります。

 

 

早めの検査と治療が重要

一過性脳虚血発作は、動脈硬化が原因の場合と心臓が原因の場合があります。
  この発作の多くは動脈硬化が原因で起こります。頚動脈など比較的太い動脈に動脈硬化が起こると血管に血栓が付着し、この血栓がはがれて血流にのり、より先の動脈に引っかかり流れを悪くして、まひなどの症状が現われます。
  心臓が原因の場合は、心臓でつくられた血栓が脳の動脈に流れていき、動脈を詰まらせてしまう場合です。心臓に血栓ができやすくなる心臓の病気としては、心房細動という不整脈が、よく知られています。 いずれにしても早期検査により原因を調べ、早めに治療にかかることが重要です。治療には内科的治療、外科的治療があります。
  内科的治療は、血液をサラサラにして血栓ができるのを予防する治療と、動脈硬化の原因となる生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の治療が行なわれます。外科的治療のおもなものは、手術によって動脈硬化のかたまりを除去するものです。


 一過性脳虚血発作という脳の循環障害の症状は、脳梗塞の前触れとして重要です。一過性の脱力やしびれなどの症状が現れ、TIAが疑われる場合は、必ず受診して検査を受けてください。
  一過性脳虚血発作を起こした人のうち15~20%の人が、3か月以内に脳梗塞になっていることがわかっています。さらにそのうち約50%の人が、一過性脳虚血発作を起こしてから数日以内(特に48時間以内が危険)に脳梗塞になっていることがわかりました。
一過性脳虚血発作が疑われる症状に襲われたら、まさにそれは脳梗塞の注意報!一刻も早く医療
機関を受診、検査しましょう。

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年07月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載