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肺がんは肺から発生するがんの総称で、小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)に分類されます。肺がんは症状が出にくい疾患で、症状としては咳や痰がありますが、これはあまり気に止めない人が多く、早期発見が難しい病気です。
肺はよく知られているように、呼吸を行なっています。空気中の酸素を身体に取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を外に出す働きが呼吸です。
呼吸は無意識のうちに行なわれ、脳幹部にある呼吸中枢によって制御されており、眠っている間も、たとえ意識不明になったとしても、持続します。成人における安静時の平均的な呼吸数は、1分間に12~15回です。鼻や口から吸い込んだ空気は喉頭を通り、気管に入ります。
気管は左右の肺の中に入り二つに分かれて気管支になります。気管支がさらに細かく分かれた先には肺胞と呼ばれるブドウの房のような小さな袋が付いています。
肺がんとは、肺から発生するがんの総称です。悪性腫瘍とも呼ばれるがんは、規則なしに分裂する細胞のかたまりで、転移を起こす可能性がある病気です。
肺がんは症状が現れにくい病気なので、症状がなくても安心はできません。
気をつけなければならない症状はいくつかありますが、まず、3週間以上経つのに改善しない、あるいは悪くなる咳。肺がんが気管支や肺を刺激するために出る症状です。ほかにも血痕は肺がんが気管支に傷をつけてしまい出る症状、肺がんが気管支を閉塞すると、ぜいぜいした息遣いになります。肺炎、気管支炎を起こしやすくなります。
また、胸の痛みは肺がんが肋骨や肋間神経を刺激することで起こります。太い気管支を閉塞したり胸水がたまって肺が小さくなると呼吸困難が出ますし、神経を冒すと、しわがれ声になります。
また、上大静脈症候群といって、大静脈が肺がんに圧迫されることで血液の戻りが悪くなってしまい、首や顔が腫れたりすることもあります。
肺がんが進行すると、体力が落ちて食欲減退や疲労感を訴えるようになり、体重が減少します。
こうした症状のいずれかを確認したなら、医療機関の検査・診断を受けましょう。
肺がんの治療方法は大まかに「外科療法(外科手術)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤療法)」に分けられ、それぞれ肺がんの種類や進行度・転移の有無によって選択される方法が異なってきます。
浸潤や転移がみられない段階では、一般的に外科療法(外科手術)が優先されており、手術によって直接がん細胞を取り除きます。
放射線療法は、がん細胞を殺すことを目的として、肺がんの病巣に放射線を照射する治療方法です。
放射線療法は普通、外科療法が行なえない高齢患者、全身に転移が拡がった患者に対して行なわれます。
また、進行速度が早く早期発見の難しい小細胞がんにおいても、多く選択される治療法です。
最近では、外科療法を行なう前にがんの病巣を小さくするために、まず放射線療法が行なわれることもあります。また、がん細胞を減少させるために、化学療法を併用する治療も実施されています。
小細胞肺がんに対しては、おもに化学療法と放射線療法が行なわれます。初期の症例に手術を選択する場合もあります。
肺がんのもっとも大きな原因は、たばこです。肺がん予防としては、たばこを吸わないことです。
若いうちからの喫煙は大きな危険を伴いますし、逆にこれまで喫煙習慣のある人でも、早く禁煙するほど肺がん予防になるのです。禁煙するのに遅すぎることはありません。喫煙者は必ず肺がんになるということではありませんが、禁煙が最善の予防法であることに変わりはありません。
ほかには、大気汚染やアスベストも肺がんの原因になります。
どんながんであっても大切なことは早期発見です。たばこをやめることと、年に一度はがん検診を受けること、ぜひ守ってください。
-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2015年11月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載