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変形性膝関節症の予防と治療

変形性膝関節症は、とても多くの高齢者が悩んでいる病気で、膝に痛みや関節液がたまる症状が起こります。
中高年以降の、とくに女性に多く見られ、ひどくなると、仕事や買い物など外出するのにも支障をきたすようになります。

変形性膝関節症とはどんな病気?


  変形性膝関節症は、膝関節のクッションの役割をする軟骨が、加齢とともにすり減って弾力性を失い、炎症や変形によって膝関節に痛みが起こる病気です。膝に関節液がたまることもあります。とくに女性に多く見られ、男女比は1対4。中年で発症し、加齢とともに増加するため、とても多くの高齢者が悩まされています。
  肥満や遺伝が関与している場合もあります。
 

変形性膝関節症診断と進行

    
  変形性膝関節症の診断は、まず、問診や触診により、膝の内側の痛みの有無を調べます。さらに関節の動く範囲、腫れやO脚変形があるか、といったことを調べ、レントゲン(X線)検査で診断します。
必要があればMRI検査が行なわれる場合もあります。
  また、関節液検査といって、炎症により腫れた膝の部分から、注射器で関節液を抜き取って、その状態を調べる検査もあります。変形性膝関節症の症状の進行は人それぞれ、千差万別ですが、自覚症状が進行を知る大きな手がかりとなります。

変形性膝関節症の治療


 変形性膝関節症の治療は、症状が軽い場合、消炎鎮痛効果のある内服薬や外用薬や膝関節内にヒアルロン酸の注射などを行ないます。
  また運動器リハビリテーションとして、大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練が行なわれます。膝を温めるといった物理療法を行なうと同時に、足底板や膝装具が作成されることもあります。
  こうした治療でも治らない場合には、「関節鏡(内視鏡) 手術」、骨を切って変形を矯正する「高位脛骨骨切り術」などの手術治療も検討されます。
  関節炎による痛みの消炎鎮痛には、患部への局所療法が効果的です。一般的に変形性膝関節症のような慢性の疾患の場合は患部を温める温熱療法、膝が腫れて熱っぽい急性の痛みには冷却療法が効果的です。

 

変形性膝関節症を予防する

 
 
  変形性膝関節症の予防には、ストレッチや筋トレなどが効果的です。
  左の要領で、無理のない程度に続けましょう。
  医師と相談のうえ、これらのトレーニングを行なって、症状の改善や予防に努めましょう。
  治療中、痛みが治まってきたら日常生活を見直し、できるだけ膝への負担がかからない生活の工夫をすることをおすすめします。


-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載