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2016年4月、熊本県、大分県を中心とする「熊本地震」
が発生しました。震度7を2回も記録するという、過去に例のない大地震でした。
大きな地震が起こったあと、心身ともに健康面で心配なことはいくつもあります。そうしたなかでも「震災うつ」という症状にも十分注意をしていただきたいと思います。
震災うつは、震災によってうつ状態が引き起こされることをいいます。そして震災うつは、震災によって被害に合われた方だけでなく、被災地に暮らしていない人にも起こります。
震災うつには、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や、その前段階となる急性ストレス障害が関係しています。PTSDや急性ストレス障害は、心理的に強いダメージを受けたときに起こります。震災の場合、地震による恐怖体験やニュース映像による恐怖のイメージ、将来に対する強い不安感が心理的なダメージとなります。
自分がうつ状態にあるかどうかを自己判定する基準がいくつかあります。毎日が憂鬱である。すべての面において意欲がわかない。食欲が減退している。動作や判断力が低下している、など。
こうした状態が2週間以上続いている場合は、注意を要します。とくに、希死念慮(死んでしまいたいと思うこと)がある場合には、早急な対応が必要です。かかりつけ医に相談するか、心療内科や精神科を受診してください。
-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載