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飲む、放射線療法

放射線治療といえば、×線やガンマ線、電子線といった放射線を患部に照射する治療法がよく知られてし、ますが、放射線治療はその他にも、「飲む、放射線療法」があります。
この治療法は、「アイソトープ療法」と呼ばれ、おもにバセドゥ病の治療に使われています。

アイソトープ療法とは


  アイソトープ療法は、「放射線ヨウ素」をカプセルに詰めた薬剤を服用することで行なわれる治療法です。
  昆布やわかめなどに含まれるヨウ素を摂取すると、その多くは甲状腺に取り込まれます。同様に、放射線ヨウ素も体内に摂取されると甲状腺に取り込まれます。
  甲状腺に取り込まれたヨウ素はホルモンの原料となり体内に分泌されますが、放射線ヨウ素は、甲状腺の細胞を破壊します。
  甲状腺が腫れて肥大化することで過剰な働きをする病気(バセドゥ病)には、甲状腺の細胞を減らす治療が有効です。こうしたことから、アイソトープ療法がバセドゥ病の治療に使われるようになりました。

アイソトープ療法は安全性が高い


  放射線を体内に取り込むことには、不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
  アイソトープ療法は始まってから、すでに80年近い歴史があります。アメリカでは、バセドゥ病患者の治療の9割にアイソトープ療法が使われ、甲状腺の大きさに対して適切とされる放射線量も明らかになっています。
  アイソトープ療法によって、甲状腺機能低下症が合併することがあります。バセドゥ病の治療は、あらかじめこの合併症を目指して進められるケースがあります。バセドゥ病に比べて甲状腺機能低下症のほうが体内変調の程度が少ないためです。このため、アイソトープ療法による甲状腺機能低下症は、バセドゥ病の治療成果とされています。

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載