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ロコモとメタボの危険な関係!?

最近話題の「ロコモ」と「メタボ」、いずれも健康寿命を延ばす大敵ですが、両者の間には、お互いに悪化しあう要因があります。では、その危険な関係に終止符を打つためには?

 

ロコモって何?メタボとは?

「ロコモ」に「メタボ」、どちらも近年話題となっている言葉です。

ロコモは「ロコモティブシンドローム」の略。骨、筋肉、関節などの運動器のいずれか、あるいは複数の障害により、「立つ」、「歩く」といっ機能が低下してしまう状態をいいます。もちろん加齢による運動器の障害のために移動機能の低下をきたすこともあります。進行すると日々の痛みや簡単に骨折してしまうなどさまざまな要因の「負の連鎖」により、体力の低下(特にバランス能力、移動能力など)をきたします。その結果、最低限の日常生活動作(ADL)さえ困難になり、寝たきりなどの「要介護者」になってしまいます。40歳代以降の5人に1人はロコモ予備軍

という調査結果もあります。

メタボは「メタボリックシンドローム」の略。内臓に脂肪がたまり腹部が肥満、高血圧、脂質異常症(以前は高脂血症と呼ばれていた)などの症状が一度に複数出てしまう状態をいいます。

 

ロコモ&メタボ予備軍!?

 

日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性の場合は85cm、女性なら90cmを超えて、高血圧・高血糖・脂質異常症の3つのうち2つがあてはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。

進行すると膝や腰の痛みがひどくなるのはもちろん、簡単に骨折してしまう恐れもあります。

前途のような原因により基礎体力が落ちれば、健康な状態ではいられません。健康を取り戻すためには、ロコモ予備軍から一日でも早く脱出することが必要です。

そして最近の研究により、メタボの人はロコモになるリスクが高いことが分かってきました。

肥満体型の人は腰や膝に余分な負担がかかることでロコモを誘発します。さらに足腰が痛むことから身体を動かすことをしなくなり、ますます肥満になり、いっそう足腰の痛みが増すという悪循環に陥ります。

少しでも早くこの悪循環を断ち切らなければ、脂質異常症や高血圧症、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まります。

食生活の改善と有酸素運動

 

まず、メタボの予防・改善方法ですが、内臓脂肪の過度な蓄積を防ぐことが肝心です。それが生活習慣病予防になります。

そのためには食生活の改善、そして有酸素運動が効果的です。特に足腰への負担が少なく続けやすいウォーキングがおすすめです。有酸素運動は身体に酸素を取り入れて脂肪を燃焼させてくれますし、ストレス解消の効果もあります。

メタボ対策の食生活ポイントは「食物繊維」。具体的には「野菜・海藻」です。コレステロールや中性脂肪、血圧に効果があります。

また、ロコモ対策としては、やはり適度な運動、柔軟体操とストレッチがおすすめです。

そして、食生活で大切なことは、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの「5大栄養素」を、3回の食事からバランスよく摂ること。これらは運動器の機能を保つのに欠かせないものです。

メタボとロコモの危険な関係は40歳代から始まります。きちんとした自己管理で、そんな「悪の関係」に終止符を打ち、健康寿命をのばしましょう!

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2016年9月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載