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50歳代から始まる パーキンソン病の発症

「50歳代になって初めて、手足の震えが出た!」―― それはパーキンソン病かもしれません。この病気は原因が解明されていないこともあり、不安が募ります。そんなとき、本人は、そして周囲は、どのように対処をしたらよいのでしょうか?

パーキンソン病とは?

 パーキンソン病は、脳の深部にある基本的な運動や動作をつかさどる大脳基底核から始まる神経変性疾患で、ドーパミンという神経伝達物質が減少することで起こると考えられています。日本での有病率は、人口一千人当たりに約一人と言われており、日本全体では10万人以上の患者がいると推定され、非常に多い難病と言えるでしょう。

 代表的な特徴として「手足の震え(振戦)」「手足のこわばり(固縮)」などがあり、身体の片側の症状に始まり、他の部分へ進行するという特徴があります。

 周囲も気づく特徴としては、安静時振戦といって、じっとしているときに片側の手や足が震えたり、立った姿勢がやや前屈みになって歩いたり、歩き方が小刻みになります。

 また、歩き始めはすくんでしまって最初の一歩が出にくいのに、歩き出すとダダダッと突進するといった状態が見られます。

 また、パーキンソン病患者の二人に一人はうつ症状を抱えていると言われます。

 パーキンソン病患者の多くは50歳代以上で発症します。この年代になると会社で重要な役職についている人も少なくありませんし、老後についてもあれこれと考え始め、悩む時期でもあります。

 そうしたことから、自身の今後の悩み=キャリアや生活、将来の不安からうつ症状を抱えてしまうようになると考えられます。逆にうつ病からパーキンソン病を発症するケースも見られます。

パーキンソン病と付き合う

 家庭の誰かがパーキンソン病を発症したとき、本人はもちろん、家族や周囲の人たちもあわててしまいそうです。そんなとき、どう対処したらよいのでしょうか?

 発症したパーキンソン病は、長い時間をかけてゆっくりと症状が進行していく病気です。それでも適切な治療とリハビリを続けながら、前向きに生活を楽しむことが大切です。

 家族や周囲の人たちの協力のもと、仕事や趣味をできる限り続けること、好きなことを楽しむことがストレス解消につながり、脳や身体機能を活性化させてくれます。

 また、趣味を通じて社会や多くの人たちと関わり合うことが、前向きに生きるパワーを与えてくれます。

 そして、好きなことを楽しみながら毎日こまめにリハビリを続ければ、前向きな気持ちを保つことができますから、症状の進行を遅らせることも可能です。

 また、日常生活でも自分にできることを積極的に行うことも大切です。

 年齢のこともあり、動きが緩慢になっていくことから周囲はハラハラ、イライラしそうですが、本人のリハビリになると考えて、手を出したくなるのをここは我慢、危険回避のための見守りに徹してください。

 症状が進行するにつれ、介護する人の負担も増加します。介護を一人で抱え込むのはとても辛く大変なことです。ぜひ、いろいろな支援体制の利用を考えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーキンソン病の原因とリハビリ

 パーキンソン病は、大脳基底核そ神経細胞の減少によってドーパミンが十分な量が作られなくなり、神経同士の連絡がうまくいかなくなることで、一連の症状が引き起こされると考えられています。では、なぜ細胞が減少するのかについては、解明されていません。いくつかの要因が重なって引き起こされるということのようです。

 運動症状が主なパーキンソン病との付き合い方の一つが、リハビリテーションとして行われる運動療法。症状の安定や緩和、日常生活の向上のためにも大切な治療と位置づけられています。ストレッチ運動は、ぜひ、毎日の習慣とし取り組んでみましょう。病状に合わせたより専門的なトレーニングに加えれば、症状の軽減や苦痛の緩和に有益な治療となります。

 

 

 

 


 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2017年3月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載