健康情報 こんにちわ

 

歯の治療から始める アンチエイジング 

アンチイジングのなかには、その化学的根拠が疑わしいものも含まれているので、今一つその取り組みに踏み切れない方もいらっしゃるかもしれません。
そうした方にも知っていただきたいのは、確実にアンチエイジングにつながる方法があることです。
それが、お口のアンチエイジングです。

よく噛むことが老化を防ぐ

 

 最近鏡を見ると顔が老けて見える・・・。その理由の多くは、豊麗線とよばれる頬のシワにあります。
 豊麗線は、頬の筋力の低下が関係しています。
 頬に限らずすべての筋肉は、使うことによってその力を維持しています。では、頬の筋肉をより積極的に使うにはどうしたらよいでしょうか?
 その一つは、物をよく噛むことです。
 現代人は、食事のときの噛む回数が低下しているといいます。これには比較的柔らかい食物主流になったことと関連しています。
 しかし、咀嚼回数が減る理由はそれだけではありません。噛むときに起きる歯や歯肉の痛み、噛み合わせの問題も関係しています。
 物がうまく噛めないため、よく飲み込んでしますそれによって噛む回数が低下してしまうのです。
 噛むこととアンチエイジングの関係は豊麗線以外にも、多岐に渡ります。下表を参考にして下さい。

 

 

 

お口の健康が若さをもたらす

 頬の筋肉を使うもう一つは表情に変化を生むときです。表情の変化に乏しいと、頬の筋肉は衰えて、たるんできます。これが顔を老けたように見せてしまうのです。
 頬の筋肉をよく使うには、笑顔をたくさん浮かべること。そして、人との会話を増やしていくことです。
 しかし、こうした機会を奪ってしまう要因となるのが、口臭や発音、歯の審美性の低下です。
 口臭が気になって、人と会話をすることに気後れするという方もいらっしゃるでしょう。ご自身で発音がしずらいといった自覚がある場合や、発音が聞き取りにくいと人からよく指摘される方も、積極的に会話することの障害となりかねません。
 また、歯に汚れが目立つ、歯並びに自身がない・・・。こうした方のなかには、口を開けて笑うことをいつの間にか避けている方もいらっしゃいます。

お口のアンチエイジング

 

 噛むこと、口臭、発音、歯の審美性・・・こうしたことは、すべて歯科医院で治療が可能です。
  むし歯と歯周病の治療によって噛む力は向上し、口臭を減らすことができます。こうした治療は、唾液の分泌の向上にもつながり、食物の消化吸収を助け、栄養を正しく体内に摂取する第一歩なので、アンチエイジングには、まず最初に取り組む必要があります。
 むし歯や歯周病の治療を受けた後は、ぜひとも歯科医院で、お口のなかの定期的なクリーニングとメンテナンスを欠かさないようにしたいところです。
 現在、歯列矯正に使われる器具には大きな進歩が見られます。透明なプラスチックを使ったり、歯の裏側に矯正器具を付けることで、あまり他人からは目立たない形で歯列矯正を行なうことができます。
 歯科矯正というと全体の歯並びを矯正するものと考えがちですが、「部分矯正」といって、気になる部分だけを直すこともできます。さらに、失った歯や被せ物をした歯を利用して部分矯正とセラミック素材を使った歯の治療を同時に行なう「ハイブリッド矯正」という方法もあります。

 

メタルフリー治療

 

 日本の歯科治療の現場では、奥歯に詰め物や被せ物をする場合、いわゆる銀歯と呼ばれる「金銀パラジウム合金」を使った歯の治療が一般的です。金銀パラジウム合金を使った歯の治療は、安全性や耐久性に優れた非常に優秀な方法であるため、この治療法は長年にわたって行なわれています。
 その一方、歯科医療の発展とともに、治療に使われる素材にはセラミックをはじめ、さまざまな物が開発されてきました。こうした新素材を使った歯の治療は、審美性という意味では銀歯よりも優れた方法と言えます。
 また、現代医学では、「金属アレルギー」の問題がクローズアップされるようになりました。金属アレルギーとは、特定の金属に身体が異常な免疫反応を示して、口の粘膜だけでなく手足や身体の皮膚に炎症を起こす病気です。長期間身に着けていた金属の成分が体内に取り込まれ、発症するとされています。
 金銀パラジウム合金と金属アレルギーの関係は、完全に解明されたわけではありません。ただ、審美性の問題も含めて、お口のなかからできるだけ金属を取り除いて、セラミックや新素材に変えていく治療が始まっています。それが「メタルフリー治療」と呼ばれる治療法です。
 メタルフリー治療は、新たに歯の治療を行なう場合だけでなく、現在、金属の詰め物やかぶせ物、ブリッジ、入れ歯を使用している場合でも可能です。ただし、メンタルフリー治療の場合、健康保険が適応されません。アンチエイジングという視点を加味し、さらに歯は毎日、長期間ハードに使用する物ということを考えて、歯科医師とよく相談して治療方法を決めるようにしましょう。

 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2017年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載