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若年性認知症 ― チェックしたい10の症状

若年性認知症の症状は、もの忘れがひどい、記憶力が極端に低下するなど、認知症とほとんど同じ。それでも年齢が若いせいもあって、自身の状態を受け入れることがなかなかできません。基本的に、18歳から64歳という年齢の間で発症する認知症を総じて、若年性認知症と呼んでいます。

若年性認知症とは?

 

 若年性認知症には、記憶や思考、行動に障害が起こるアルツハイマー型と、幻視や手の震え、動作速度の低下を訴えるレビー小体型があります。他にもいくつかの型がありますが、若年性認知症の6~8割りを占めるのが、アルツハイマー型です。
 アルツハイマーの発症は、高齢化に伴って起こることが多いのですが、若くして発症することもあります。このため若年性認知症同様、64歳以下で発症するアルツハイマーを若年性アルツハイマーと呼びます。今回は、アルツハイマー型の若年性認知症(若年性アルツハイマー)を中心にご紹介します。まずは、若年性アルツハイマーが疑われる10の症状を読んでみてください。
 また、若年性アルツハイマーの直接の原因としては「アミロイドΒ」と呼ばれるタンパク質の蓄積が指摘されています。この点から、若年性アルツハイマーを予防する方法も、合わせてご紹介します。

若年性アルツハイマーが疑われる10の症状

 

 以下に、若年性アルツハイマーが疑われる10の症状を上げてみました。思い当たることはありませんか?

 

①極端な記憶力の低下が見られる。

②どこかに置き忘れたものを探せない。

③話したり書いたりしていて言葉に詰まる。

④今日の日付、今いる場所がわからなくなる。

⑤慣れているはずの作業をやり通すことが難しくなる。

⑥誤った決断を下すなど、判断力が低下する。

⑦計画を立てて行動したり、数字の処理が困難になる。

⑧距離感などの空間的関係を理解できなくなる。

⑨仕事や人との係わり合いを絶ってしまう。

⑩気分の変化、人格が変わる。

 

 

 

 

 

若年性アルツハイマーは予防できる?

 

 いまだよく分かっていない部分の多いアルツハイマーですが、近年のさまざまな研究により、効果的な予防法も報告されています。例えば適度な運動には、アルツハイマーの原因となる異常なたんぱく質「アミロイドB」の蓄積を防ぐ効果が期待できるという報告があります。
 例えば軽めのジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が効果的とされており、1日30分、週に3~4回程度を習慣的に行なうことで、予防効果が期待できます。また、カレーのスパイス(ターメリック)に含まれるクルクミンには、脳を活性化する効果があるとされます。
 さらに、睡眠不足は「アミロイドB」の蓄積を促すのでしっかり眠ることは重要です。夜更かしをせず、早寝早起きの規則正しい生活を送るようにしましょう。また、睡眠の質の向上のためには、食事はできるだけ就寝の2時間前までに終わらせ、精神安定の妨げになる就寝前のパソコンやスマホは控えます。
 就寝前は、入浴やストレッチなどでくつろいだ気分になることが大切です。こうした努力で若年性認知症を遠ざけることができます。

 

 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2017年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載