健康情報 こんにちわ

 

■気分障害と適応障害

 新入社や新入学―― こうした新しい環境にうまく適応できずに、精神的・肉体的な変調をきたす、五月病。
 五月病という名称は古くから使われますが、これは正式な病名ではなく、医学的には「気分障害」や「適応障害」を患った状態と考えられます。
 気分障害というのは、うつ病や双極性障害(躁うつ病)といった病気の総称です。症状が比較的軽度(気分変調症)の場合もあります。しかし、軽視することなくかかりつけ医に相談し、医療機関で治療を受けることが必要です。
 適応障害は、ある特定の状況に対して、とても耐え難い気持ちになる病気です。会社や学校を例えとすると、会社や学校にいるときは強いうつや不安状態になりますが、それらから離れている時は症状が治まるのは適応障害と考えられます(逆に四六時中、何をしていてもうつや不安状態にある場合は、気分障害の恐れが強くなります)。
 適応障害の問題点は、この病気を放置しておくと、五年後には四割程度の人がうつ病へと症状を悪化させてしまうことです。
 五月病は、月や季節に関係なく起こります。また、五月が過ぎれば自然と治癒するという病気でもありません。会社や学校という新しい環境に適応できない、とても辛いと感じている方は、こうした状態を軽視や放置することのないようしてください。

 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2017年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載