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更年期障害とよく似た症状の病気 ― バセドウ病 

更年期障害はあまりにも症状が多肢に渡るため、身体の不調に対して、「更年期だから仕方がない」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。
更年期障害自体に、医療機関を受診して治療が必要なケースも多くあります。さらに危険なことは、実際には別の病気を発症しているのに更年期障害と思いこんでしまい、時間がたてば治るはずと症状を悪化させてしまうケースです。今回は、更年期障害とよく似た症状を起こす病気――― バセドウ病との違いについて考えましょう。

更年期障害は女性ホルモンの減少で起こる

 

 女性は、閉経の前後、45~55歳にあたる時期が一般的には更年期と呼ばれます。この時期は、卵巣で分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が減少することによって、身体に変調が起こりやすくなります。更年期に身体の不快な症状を訴える女性の割合は、75%にも昇るという報告もあります。
 更年期の身体の不調は、「更年期障害」と呼ばれます。
 更年期障害には、ほてりやのぼせ、発汗、肩こり、頭痛、苛々、不眠、鬱といった代表的な症状のほかに、200とも300ともいわれる症状があるとされています。

 

 

 

バセドウ病は甲状腺ホルモンの過剰で起こる

 バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こる病気で、甲状腺機能亢進症とも呼ばれています。バセドウ病は男性でも発症しますが、女性により多く見られます。症状が似ていることを含めて、この点も、更年期障害と間違えやすい一因となっています。
 甲状腺ホルモンは、身体のエネルギー代謝を調節するためのホルモンです。このホルモンが過剰に分泌されると、例えば、寝ているときでも身体は運動をしているような状態になり、ほてりやのぼせ、発汗といった症状のほかに、下痢や体重の減少、疲労感、手の震え、苛々といった症状が起こります。
 バセドウ病を放置すると「甲状腺クリ―ゼ」という病気の発症へとつながります。甲状腺クリ―ゼは突然発症し、心不全や不整脈といった死に至る症状を引き起こす非常に危険な病気です。

バセドウ病と更年期障害の見分け方

 

 食事の量が増えているのに体重が減少している。喉元が腫れているように感じる。こうしたことは、バセドウ病と更年期障害を自己判断で正確に見分けるのは、非常に困難です。
 バセドウ病と更年期障害を見分けるには、医療機関を受診して、血液検査によって行ないます。血液検査をすれば、甲状腺ホルモンの数値がわかるので正確な診断が可能です。

 

 

-すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2017年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載