広報誌 南東北

 

ステロイド外用剤

手のひら2枚分が適量 塗り過ぎにご用心

 ステロイド外用剤は体内に吸収される程度の違いにより①ストロンゲスト(最も強力)②ベリーストロング(かなり強力)③ストロング(強力)④ミディアム(中程度)⑤ウィーク(弱い)の5段階に分けられます。軟膏やクリーム、ローションなどがありますが患部の皮疹の種類や重症度、部位、患者さんの年齢に応じて使い分けます。経皮吸収性は体の部位によって異なります。成人の人差し指の第一関節までの長さの量で手のひら2枚分が塗布する適量です。
▼ストロンゲストの薬剤(商品名デルモベート、ダイアコートなど)=最も体に吸収されやすい成分を使用。量は少ないが作用が強く原則として子どもには処方されない。連続使用の場合は1週間以内。
▼ベリーストロングの薬剤(アンテベート、トプシムなど)=大人は体幹部、子どもは腕や足など四肢に処方されるのが多い。連続使用は大人で1週間以内、子どもは数回に留めるよう要注意。
▼ストロングの薬剤(リンデロンV、リンデロンVG、フルコートなど)=大人への処方は全身~体幹部限定、子どもの場合は顔や陰部を除く体幹部。連続使用は大人で2週間、子どもは1週間以内。
▼ミディアムの薬剤(アルメタ、ロコイドなど)=顔を含めた全身に処方される。連続使用は大人で2週間以内、子どもは1~2週間以内。
▼ウィークの薬剤(プレドニンなど)=薬を最も吸収しやすい尻や陰部にも処方。連続使用は2週間以内。ステロイド成分は体に吸収されにくいが量が多く塗りすぎに注意。副作用として皮膚が薄紙のようになる皮膚委縮、皮膚の毛細血管が浮いて赤くなる毛細血管拡張、皮膚の免疫抵抗力の減退による真菌感染、毛囊炎(ニキビ)、ヘルペスなど種々の感染があるが、塗り過ぎに気をつけて正しく使用すれば簡単には起りません。

(薬剤科 中野洸大)

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