広報誌 南東北

 

増えています RSウイルス感染症

乳幼児は特に要注意 予防は家族全員で手洗い、うがい

 12月から1月にかけて感染ピークのRS(Respiratory Syncytial=呼吸器の合胞体)ウイルス感染症。今年は10月末から11月初めの調査で過去最多の昨年を千人も上回り記録を更新、特に東北で拡大し福島県では郡山市と会津保健所管内で前週比2倍にも増えています。
 RSウイルスは呼吸器感染症の一つで感染から2~8日後に上気道炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの症状が現れます。2歳までにほとんどの乳幼児が感染。患者のほとんどは軽症で済むが、小児を中心に呼吸困難や細気管支炎、肺炎など重症化するケースも。主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、強い感染力があるのが特徴で発症した場合、38~39度の発熱やせき、鼻水などの症状が現れます。
 問題になるのは、生後6カ月以内の乳幼児や心肺系に疾患のある乳幼児、そして出生時の体重が2500g未満の低出生体重児の場合。これらの子どもが感染すると症状が重症化する危険があります。
 RSウイルスに感染した場合、残念ながら特効薬はありません。まだ一般的な予防ワクチンや抗ウイルス薬が開発されていません。ミルクの飲みが悪い場合は輸液をしたり、せきに対しては気管支を広げる薬、痰を切りやすくする薬などが使われます。
 予防法は家族全員の手洗い徹底と親子ともかぜをひいた人との接触を避けること。1歳以下の乳児にいかに感染させないようにするかが主な感染症対策です。せきエチケットは無論のこと、たばこの煙は症状を重症化させるので避けるべきです。また感染のピークを迎える年末年始は、なるべく乳幼児を連れての外出を控えたいものです。
 RSウイルス感染症は、検査キットによって感染の有無を調べることができます。重症化させないために風邪のような症状が出たらなるべく早く、病院・医院を受診させ、検査後は入院措置などを含めて医師の指示に従って下さい。

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