広報誌 南東北

 

BNCT建屋建設急ピッチ 今秋には性能確認試験入り


建設急ピッチのBNCT研究センター
 昨年春、郡山市八山田の南東北がん陽子線治療センター西で着工した(一財)脳神経疾患研究所のBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)研究センター建屋建設工事は、今年7月末完成を目指し急ピッチで進められています。住友重機械工業で製造中の加速装置「サイクロトロン」は3月に搬入を開始、秋ごろには性能確認試験に入れる見通しです。
 BNCTは、がん細胞だけに取り込まれるホウ素化合物を投与し、エネルギーの低い中性子を照射し、がん細胞だけを破壊する最先端のがん治療法。外科手術や既存のX線治療では難しい再発がん・進行がんに有効とされます。
 6年前から陽子線によるがん治療を開始し、成果を上げている脳神経疾患研究所は一昨年、総額約70億円(県助成43億円)を投じてBNCTシステムの導入を決定。京都大学と住友重機械工業が共同開発の加速装置を発注するとともに昨年3月、鉄筋コンクリート造り地下2階・地上5階建ての研究センター(延べ床面積5980㎡)建屋建設に着手しました。現在、地上部分を建設中ですが、3月にはサイクロトロンを搬入し装置を組み立て・調整。秋ごろから安全性・性能テストをスタートさせる予定です。年内には保証性能確認試験を終え、性能向上試験を経て来年度から頭頸部がん、悪性脳腫瘍の臨床試験に入り、厚生労働省の先進医療の認定を受けて30年度からの治療開始を目指しています。治療が開始されれば世界の病院では初めてで各国から注目されています。

当財団「BBB+ポジティブ」に ㈱日本格付研究所が格付変更

 ㈱日本格付研究所(JCR)は1月15日、(一財)脳神経疾患研究所を「長期発行格付はBBB+(トリプルBプラス)、格付けの見通しはポジティブ」に格付変更したと発表しました。同研究所は長期発行格付を「AAA」から「D」までの11段階に分けており「BBB」は4番目のランクです。一昨年暮れ「BBB+、見通しは安定的」に格付されましたが、今回は格付を据え置き、見通しを今後格上げの方向で見直される可能性が高い「ポジティブ」にランクアップしています。
 同研究所は総合南東北病院(461床)を軸に福島、宮城、神奈川、東京など1都3県で8病院はじめ医療・介護施設を展開している中核法人。格付変更理由として①国内民間病院で初のがん陽子線治療施設のほか現在、世界初となるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)研究センターの建設・実証計画推進など先進医療に積極的に取り組んでいる②グループ各施設の運営は概ね順調。一昨年川崎市に開業した新百合ヶ丘総合病院(377床)の収支改善が見込まれ、グループ全体で一段と安定したキャッシュフロー確保が可能③医師・看護師不足感が強い福島県内で広域展開の人材活用で堅実な診療体制を維持。本院は南東北新生病院との連携強化で高い収益力を挙げ、原発事故で一時減少したがん陽子線治療センターも患者数が回復、岩沼市の将道会も収益水準が上昇している④これまでの大規模投資は着実に収益に結びつき純資産増につながっている―などを挙げています。有利子負債は増えているものの堅調な業績を受けて利益の蓄積が進んでいることなどを踏まえ「格付据え置き、見通しポジティブ」にしたとしています。

市民を癒した〝甘い調べ〟 2回目の井上仁一郎ギターコンサート


市民をうっとりさせた井上さんの
ギターコンサート
 福島市出身のギタリスト・井上仁一郎さんのギターコンサートは、立春の2月4日③午後2時から郡山市の総合南東北病院北棟1階NABEホールで開かれ、市民ら約200人を癒しの調べで楽しませました。昨年に続いて2回目。  井上さんは福島高校、日大芸術学部卒。高校生のころピアノからクラシックギターに転向、日本ギタリスト協会のコンクールなどで優勝し国内はじめスペインなどで演奏活動をしている若手奏者です。  開会に先立ち主催の寺西寧同病院長が「先輩の息子さんですが、CDも出し国際的に活躍する若手のホープです。大いに楽しんでください」と紹介したあと井上さんがさっそく演奏。「アルハンブラ宮殿の想い出」「ひまわり」「愛の賛歌」「禁じられた遊び」などおなじみのギター名曲10数曲を披露しました。会場にはあいにくの雪にもかかわらずクラシックギターファンや入院中の患者さんたちがつめかけ立ち見が出るほど。ホールいっぱいに響くやわらかなギターの甘い音色にじっと聴き入る姿が目立ちました。

1月の手術件数

 1月の手術件数は608件でした。内訳は眼科167件、外科86件、整形外科70件、形成外科70件、脳神経外科58件、耳鼻科41件、泌尿器科40件、心臓血管外科33件、呼吸器外科14件、婦人科6件、放射線治療科(陽子線)6件、歯科口腔外科6件、周産期センター3件、放射線科(本院)3件、麻酔科2件、消化器内科1件、小児心臓外科1件、循環器科1件です。

1月の救急車台数

 1月の救急車台数は408台でした。診療時間外に受診した患者さんは1368人でした。

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