広報誌 南東北

 

ネット依存症

中高生約52万人が依存症 カギ握る親、早めの予防策を

 厚生労働省が昨年夏に実施した「インターネットの使用」に関する調査で約52万人の中学・高校生がネットに依存の「病的な使用」と判定される実態が明らかになりました。
 調査は全国の中高生14万人を対象に「ネットに夢中になっていると感じるか」など8項目について質問。約7割に当たる10万人の有効回答を分析した結果、5項目以上に当てはまる「ネットへの依存が高い」は中学生の6%、高校生の9%で全国の中高生全体の8%、全国の中高生数で計算すると51万8000人に上ると推計されました。
 依存の男女別割合は男子が6%、女子が10%。女子が高いのはチャットやメールを多く使うためとみられます。さらにこうした子どもたちのうち40%余りは、平均睡眠時間が6時間以下ということも分かりました。こうした状態は「ネット依存症」と呼ばれ、日常生活や健康への影響が心配されています。
 質問は①インターネットに夢中になっている②満足を得るためにネットを使う時間を長くしていかなければならないと感じる③使用時間を減らしたり止めようとしたが、うまくいかなかったことが度々④ネットの使用を制限すると落ち込みやイライラを感じる⑤意図したよりも長時間ネットを使う⑥ネットのため大切な人間関係、社会生活を危うくしたことがある⑦熱中しすぎていることを隠すため家族や周囲の人に嘘をついたことがある⑧嫌な気持ちや不安、落ち込みから逃げるためネットを使う―の8項目です。
 ネット依存症の悪影響は多岐にわたり睡眠不足で昼夜が逆転したり、成績の低下が顕著だったり、寝食を忘れてゲームに没頭して栄養失調になる例さえあるそうです。
 治療の最大の障害は「本人の自覚」です。オンラインなどでは同じ仲間がいるので異常性に気付かないという。カギになるのはやはり親で、依存症の危険性をよく理解し予防策を講じる必要があるようです。

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