広報誌 南東北

 

急性アルコール中毒

やめましょう「一気飲み」 見つけたら止めましょう

 年末年始は忘年会、新年会で酒を飲む機会が増え、急性アルコール中毒による救急搬送も多くなっています。中でも若年者・女性・高齢者などでリスクが高く死亡に至るケースも毎年発生しています。
 急性アルコール中毒の症状は飲酒により身体・意識レベルの低下、激しいおう吐、呼吸不全、失禁です。短時間での大量飲酒によって血中のアルコール濃度が上がり、脳が麻痺するために起こります。
血中アルコール濃度が0・4%を越すと命の危険があるとされます。ちなみに日本酒5合(約1㍑)、ビール中ジョッキ5杯(約2・5㍑)を短時間で飲むとアルコールの血中濃度が0・4を超すことがあります。急性アルコール中毒では1~2時間で死亡に至るケースもあります。昏睡状態や失禁が見られる時は直ぐに救急車を呼んでください。放置して手遅れになることは避けなければなりません。
 日本人の42%は遺伝的に酒に弱いといわれます。アルコールを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素が体内に足りず、アルコールをうまく分解できないためです。一般に若い人や女性、高齢者、酒を飲むとすぐ顔が赤くなる人などはアルコール分解が遅くこのリスクが高いといわれます。
 短時間での大量飲酒の最大の原因は、いわゆる「一気飲み」。東京消防庁管内では毎年1万人前後が急性アルコール中毒で救急搬送されていますが、平成24年度は5千人超が大学生や新入社員などで、ほとんどが一気飲みでした。
急性アルコール中毒を防ぐには、まず自分自身が一気飲みをしないことは当然ですが、絶対に誰かにも強要しないことです。もし急性アルコール中毒が疑われる人を見つけたら①絶対に1人にしない②衣服をゆるめて楽にする③毛布などをかけて温め、体温の低下を防ぐ④横向きに寝かせ汚物による窒息を防ぐ―などの救護方法をしてください。毎年この時期、急性アルコール中毒で尊い命が失われています。一気飲みを見た時は止めるようにお願いします。

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