広報誌 南東北

 

WPW症候群

 WPW症候群という病気を知っていますか。先天的な心臓の病気で小中学校の健康診断でも発見される例が増えているそうです。この病気を研究したウォルフ、パーキンソン、ホワイトの3人の博士の名前から名づけられました。
 心臓は全身に血液を送り出すためのポンプの役割をしています。このポンプを稼働させるために心臓内部から心臓の筋肉へ常に電気信号が送られています。 心臓には通常、この電気信号を伝える経路は1か所しかないが、WPW患者の場合は余分な副伝導路が先天的にあり経路が2カ所存在します。 このため条件が重なると心臓の筋肉に余分な電気信号が送られて心臓の動きが異常に速くなる「頻発不整脈」が起こりやすくなります。
 WPW症候群の患者は、800~1000人に1人の割合で存在するといわれます。通常、不整脈は10代か20代前半で出現しますが、1歳未満や60歳を過ぎて現われることもあります。 稀な病気ではありますが、重篤な頻発発作により危険な状態になることがあります。
 WPW症候群の場合、自覚症状が軽度の場合は対症療法のみで根治治療を行う必要はないとされています。ただし他の心臓疾患が起こった時には症状悪化のリスク要因にもなるため専門医とよく話し合う必要があります。
 重篤な頻発発作が起こる場合は高周波電流によって神経の一部を焼き切る治療(アブレーション)が検討されます。この治療法の成功率は非常に高く、WPW症候群の根治治療が可能となっています。

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