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東南アジア原産の多年草でわが国には3世紀ごろまでに中国から入ってきた香辛料です。冷奴の薬味や豚肉のショウガ焼きなどちょっと添えるだけで食欲増進の効果が期待され、
独特の香りが和食や中華料理に欠かせない風味を作り出します。薬として血行を良くし、発汗により熱を下げ、咳を静める作用があるため昔から珍重されてきました。
栄養的にはビタミンB1、B2、Cが少量含まれる程度なので、ほとんど期待できませんが、特有の辛みや香りに優れた薬効があります。辛味はジンゲロンやショウガオールといった成分で優れた殺菌力があり食中毒の予防に有効です。
また胃液の分泌を促進し消化吸収を助けるので食欲がないときなどは積極的に摂るようにするといいです。
香りにはジンギベレンという成分で胃を健康にする作用や解毒・消臭作用があります。寿司に必ずショウガが添えてあるのは、タネの魚介類による食当たり防止と、
寿司を食べ過ぎても胃腸を壊さないのはジンゲロンの健胃作用によると考えられます。このほか風邪の初期症状や吐き気止め、たん切、せき止め、冷え性の改善、神経痛の緩和などに効果が期待できます。
根ショウガは1年中出回っていますが、葉ショウガは初夏が旬。葉ショウガは辛味が少ないので、そのまま味噌などを付けて食べられます。風邪気味の時、
ショウガのおろし汁に刻みネギを加えて熱湯を注いだショウガ湯を飲むと悪化するのを抑えられます。
食欲不振でだるい時はビタミンB1の吸収を助けるタマネギと組み合わせた料理に使うと食欲が増進します。ただ刺激が強いので胃腸の弱い人は1度に多量摂らないようにしましょう。
(参考:食の医学館 栄養管理科 岡崎由香)