広報誌 南東北

 

急増する熱中症にご用心! -こまめな水分補給が一番 アルコール、コーヒーは控え目に-

熱中症は予防できます 活用したい高温注意情報


 

 
 熱中症のピークは7~8月といわれますが、今年はまだ5月なのに各地で7月並の暑さとなり、熱中症による健康被害も頻繁に報道されています。誰もが発症する可能性があり、 発症すると急速に症状が悪化する恐れがある熱中症。今年は例年にない早めの「熱中症対策」が必要のようです。
 気象庁の観測によると今年は暑い5月のようです。特に東日本や北日本では気温が平年を大きく上回り、東京では25度以上の夏日が19日と観測最多記録を19日間に更新、5月26、27日には連続真夏日を記録。 福島県でも同様の暑い日が続き、同じ5月26日には福島市で31.3度、梁川町で32.1度と今年最高気温を記録、福島市は4月27日から5月27日までに昨年はわずか1日だった真夏日が8日、 夏日が26日と例年になく早い暑さに見舞われています。
 そこで気をつけなければならないのが、急上昇する気温に伴う熱中症です。消防庁によると4月27日から5月24日までに熱中症により救急車などで病院に運ばれた人は全国で1884人、 このうち2人が死亡、48人が重症、573人が中等症ということです。福島県内でも71人が救急車で運ばれましたが、幸い死亡や重症はなく中等症が14人ということです。
 熱中症は、高温多湿の環境下で、発汗機能や血液循環に不調をきたして起こる病気です。不調をきたすと体温が高くなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、 脳や内臓、筋肉といった生命活動に欠かせない組織が阻害されます。
 熱中症の症状は大きく分けて①熱痙攣②熱疲労③熱射病―の3つに分類されます。
▼熱痙攣=血液中の塩分不足により、主に脚部や腹部の筋肉にけいれんが起こる。
▼熱疲労=脱水症状により頭痛、めまい、吐き気、倦怠感がある。皮膚の状態は青白く、体温はそれほど高くない。
▼熱射病=意識障害や吐き気、全身のけいれんなど熱疲労、熱痙攣症状がさらにひどくなった状態になる。皮膚の状態は赤く、熱っぽい。
 こうした熱中症の中でも特に熱射病は命にかかわる危険があります。自力で水分の補給ができない、意識がはっきりしないなどの状態の時はすでに重症です。すぐに救急車を呼んでください。
 熱中症は炎天下で運動や肉体労働をしたときに起こる傾向にあります。特に高齢者は室内で安静にしていても発症することがありますので屋内外を問わず注意が必要です。 どの程度の気温・湿度で熱中症になるかは個人差のほか体調にも左右されます。救急車で搬送された人を年齢別にみると約半数が65歳以上。加齢とともに喉の渇きや暑さに対する感覚が鈍ること、発汗機能が衰えることに関係します。
 暑くて頭がぼんやりする、喉がとても渇く、といったこれらの症状は熱中症の初期症状です。早急に水分・塩分を補給し、涼しい場所に移動して、冷たいタオルなどで身体を冷やしましょう。 症状は急激に悪化することもあるので注意して経過を見てください。
 熱中症にならないためにはまずは、こまめな水分補給を心がけましょう。喉の渇きを感じる時はすでに体内の水分は不足しています。成人の平均的な水分摂取量は2500㏄とされています。 ただその半分程度は食事から摂取しているので飲料からは1500㏄ぐらいが目安になります。ただしアルコールやカフェイン飲料は利尿作用があるので水分補給には適しません。
 熱中症の症状には、体温の上昇がみられますが、風邪やインフルエンザによる高熱と違い、解熱剤は効きません。効かないどころか体温の調節機能自体が変調しているため悪化させます。 発熱の原因がはっきりしない場合はかかりつけの医師に相談ください。熱中症は予防できます。気象庁の高温注意情報や暑さ指数の情報を活用して十分な対策を取りましょう。

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