広報誌 南東北

 

不眠症の薬

タイプで使い分けが大切 服用中は副作用にも注意

 不眠症とは、よく眠れないことが原因で日中の眠気、注意力の低下、疲れや種々の体調不良が起こる状態です。5人に1人が、こうした症状で悩んでいるといわれます。 睡眠には身体の休息、記憶の再構成、子どもの成長、ストレスの軽減、免疫力の増強など体に大切な役割があります。
 適切な睡眠時間や睡眠パターンには個人差がありますが、必要な睡眠時間は10代で8~10時間、成人で6.5~7.5時間。60歳以上で平均6時間弱と高齢になるほど短くなるという報告があります。
 不眠のタイプは、一過性から長期のものまで様々。夜寝つきが悪い「入眠障害」、何度も目覚める「中途覚醒」、朝早く目覚める「早朝覚醒」などがあります。 中途覚醒が不眠の中では最も多く、特に高齢になるほど中途覚醒、早朝覚醒の患者数が増えてきます。
 睡眠薬はタイプにより使い分けが大切です。入眠障害には寝つきを良くする睡眠薬。中途覚醒や早朝覚醒があり、長時間の睡眠が確保できない時には効き目が長い睡眠薬が有効です。 体内時計リズムを整えることで睡眠を促す薬もあり、正しく使用することで体を睡眠へ導きます。
 睡眠薬を使う人の中には薬が翌朝まで残り、日中の眠気やふらつき、倦怠感などの症状が現れることもあるので翌日の体調には注意が必要です。長期で飲んでいた薬を急に中止すると眠れなくなることもありますが、 徐々に量を減らして薬を止めることも出来ます。睡眠薬を服用中は、このような副作用に注意して生活をしましょう。

(参考:健康づくりのための睡眠指針検討会報告書 薬剤科 三浦幸太)

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