広報誌 南東北

 

がんサロン 自宅でできるストレッチと体操


「体を動かすことが大事」と指摘する鈴木理学療法士
 少しでも毎日の継続が大切 リハビリで廃用症候群予防  がん療養中はできるだけ安静に過ごした方が良いと思われがちですが、長期にわたると筋肉が衰えたり心身機能が低下したりします。 このほど南東北がん陽子線治療センターで開かれた「がんサロン」ミニ学習会で総合南東北病院リハビリテーション科の鈴木満美子理学療法士が 「自宅でできるストレッチと体操」と題して講演した内容と実技指導を要約してご紹介します。
 がん療養中は、抗がん剤治療の副作用などにより疲れやすくなったり、倦怠感や吐き気の症状が出ることがあり、多くの患者さんは活動性が低下します。 しかも安静状態が長期にわたって続くと筋肉がやせ衰える筋萎縮や関節が硬くなってしまう関節拘縮、急に立ち上がるとふらつく起立性低血圧などの症状が起こります。 この様々な心身機能の低下を廃用症候群といいます。日頃の生活が不活発なことで発症するため生活不活発病と呼ばれることもあります。
 廃用症候群が悪化すると筋力・体力が低下、真っ直ぐ立つことが難しくなって姿勢が悪化。肩こりや腰痛がひどくなり活動性が低下してしまう悪循環に陥ってしまいます。 こうした症状は寝ているだけでは改善しないため療養中でもできる範囲でリハビリを行うことが重要です。ベッドや布団から離れ、外に出て日光に当たる場所で過ごす時間をつくると体内リズムの調整ができて気分転換にもなります。 リクライニングを起こすだけでも効果があります。トイレのついでに「かかと上げ」をするなど何かをしたついでに体を動かすことを習慣づけるとよいでしょう。 がん療養中でも日常生活のちょっとした工夫で廃用症候群を予防することができます。
 自宅でできるリハビリの一例をご紹介します。姿勢を正して体を動かすことで肩や腰の凝りをほぐすことができます。こまめに休憩を取り無理のない姿勢で行いましょう。
 まずは深呼吸です。鼻から息を吸い、口から息を吐く腹式呼吸を行ってください。背筋を伸ばし、肩の力を抜きましょう。腹筋を使うことで姿勢が安定します。次は首のストレッチです。 リラックスした状態で、息を吐きながら5秒ずつ左右、前後、斜めに伸ばします。痛みを感じない程度の強さで行ってください。
 続いて肩のストレッチです。親指を肩につけ、肘で大きな円を描くイメージで肩を大きく回します。前回し・後ろ回し各10回ずつ行います。肩甲骨が動くことで血行がよくなり、肩こりが改善されます。
 最後は棒を使った体操です。50cm程の棒を準備します。新聞紙を丸めたり、タオルでも代用できます。両手で棒をつかんで腕を大きく上に挙げて背筋をしっかり伸ばします。 背筋が伸びたら肘を曲げ伸ばしします。両手を大きく前に出したり、ゆっくりと引きます。その際、肩甲骨を寄せることを意識しながら行います。
 ストレッチは朝・昼・晩の1日3回行いましょう。廃用症候群のリハビリに大切なことは、少しずつ毎日行うことです。できる範囲で体を動かし、悪循環を断ち切りましょう。
 次回のがんサロンは9月16日(水)午後2時から南東北がん陽子線治療センター4階ラウンジで開かれます。テーマは「家族ケアについて」で参加無料、予約不要です。


〝猛暑日〟吹き飛ばす笑顔と元気全開 賑わった第24回総合南東北病院まつり


迫力ある演舞を披露する職員たち

子どもたちの人気を集めたボール・人形すくい
 総合南東北病院の第24回病院まつりは、8月2日(日)午前10時から郡山市八山田の同病院立体駐車場で開かれ、2000人を超す市民でにぎわいました。 病院や介護施設の患者・利用者さんを励まし、地域住民との交流を深めるため毎年開いています。
 開会式で渡邉一夫理事長があいさつしたあと県内外の南東北グループ病院・施設職員による6年目の「よさこいソーラン大競演会」がスタート。 昨年より1チーム多い19チーム・約450人が、最高気温35.1度の猛暑の中で迫力ある踊りを披露しました。
 午後からはプリンセスプリキュア・キャラクターショー、みちのくボンガーズお笑いライブ、aveコンサートなどが次々に繰り広げられました。 バルーンアート教室は小児病棟やゴールドメディアでも披露されました。品川萬里郡山市長も駆けつけ激励しました。
 会場には健康相談や陽子線・PET相談コーナー、救急車体験コーナーはじめかき氷、焼きそばなど各種模擬店、塗り絵やゲームコーナーなども設けられ、親子連れの市民たちが流れる汗をぬぐいながら恒例の夏祭りを楽しんでいました。


高校生が一日看護体験 中通り14校の34人が実習


ベッドメーキングを体験する高校生たち
 県看護協会主催の高校生の1日看護体験は7月28日(火)と8月初旬に県内各地で行われ、総合南東北病院では県中・県北地区の高校生たちが看護師を体験しました。 看護業務の実際を通じ生命の大切さや他人への思いやりの心を実感、看護師への理解を深めてもらおうと毎年実施しています。
 同病院では28日と8月4日(火)の2回に分け郡山、郡山北、安積黎明など14校の1~3年生34人が参加しました。1回目は男子5人を含む28人が参加、オリエンテーションで窪睦子看護部長が「病院では様々な専門職が働いています。 どう動いているか見て進路の選択に役立ててください」とあいさつ。堀口ひろみ看護副部長が看護業務の概要と心得などを説明しました。
 白衣姿の高校生たちは病院内見学の後、各病棟でプロの看護師の指導を受けながらベッドメーキングやリネン交換、患者さんの清拭、洗髪、入浴、食事の介助など実際の看護業務に挑みました。 初めて患者さんと接した高校生たちは緊張気味。〝先輩〟看護師の指導に真剣な表情で実習していました。3年生男子は「看護業務はいろいろあることが分かった。看護学校に進学し早く看護師になりたい」と目を輝かせていました。


9月の医学健康講座

 総合南東北病院の9月医学健康講座は、9月18日(金)午後2時から同病院北棟1階NABEホールで開かれます。同病院医療相談課の熊谷幸広係長が 「老後の介護の安心のために~介護を支える介護保険」と題して講演。富久山地域包括支援センターの星幸子介護支援専門員が「いきいき体操~心も体も健康に」と題して実技指導します。 入場無料。送迎バスは郡山駅午後1時発、病院同3時25分発。

7月の手術件数

 7月の手術件数は667件でした。内訳は眼科218件、外科89件、整形外科54件、形成外科51件、脳神経外科45件、外傷センター38件、泌尿器科36件、耳鼻科34件、 心臓血管外科24件、放射線治療科(陽子線)16件、呼吸器外科15件、周産期センター13件、婦人科12件、歯科口腔外科8件、放射線科5件、小児心臓外科4件、麻酔科3件、消化器内科1件、循環器科1件です。

7月の救急車台数

 7月の救急車台数は489台。時間外の受診患者さんは1373人でした。

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