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台湾の李登輝元総統(92)が7月24日(金)、総合南東北病院などを運営する(一財)脳神経疾患研究所の南東北BNCT研究センターを訪れ、来年1月早々に治験開始を予定している最先端のがん治療施設を視察しました。
日本の交流団体「日本李登輝友の会」などの招きで同21日に来日、東京都内で講演活動したあと東日本大震災で被災した福島・宮城両県の復興状況視察のため訪れたもので来県は初めてです。
渡邉一夫同研究所理事長はじめ寺西寧総合南東北病院長、瀬戸晥一センター長ら幹部が出迎え、1階ボンジュールで渡邉理事長が歓迎の言葉を述べたあと会食を挟んで
瀬戸センター長がBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)や施設の概要などを説明しました。
ついで李元総統は瀬戸センター長の案内で地下に設置された陽子加速装置「サイクロトロン」や治療室、中性子照射装置などを見て回りました。
来日前から「日本が誇る最新のがん治療を見たかった」というだけあって治療装置に興味深そうに見入り、積極的に質問していました。
BNCTは、がん細胞だけに取り込まれるホウ素化合物を予め投与し、加速器で飛ばした陽子を金属に当てて発生する中性子をがん細胞に照射し、ピンポイントで破壊する最先端の治療法です。
国・県から補助を受け昨年秋に病院で世界初の施設を完成させ、来年1月早々から治験を開始する予定です。
李元総統は「台湾では、がんの死亡率が高い。最先端の治療法のBNCTが日本で完成しつつある。台湾にもぜひ導入したい」と語り、BNCTへの強い期待を示していました。