広報誌 南東北

 

〝がん治療最前線〟を学ぶ


満員の市民を前にあいさつする世話人の寺西院長(右)
日本消化器病学会東北支部 第68回市民公開講座
 「最近のがん治療最前線」をテーマにした日本消化器病学会東北支部の第68回市民公開講座は、10月17日(土)午後2時から郡山市富久山町の総合南東北病院北棟1階NABEホールで開かれ、 約200人の市民が、がんの治療や予防法などを学びました。
 医学の高度化に伴う医学の進歩とその恩恵を社会に還元する事業として同支部(大平弘正支部長=福島県立医大消化器・リウマチ膠原病内科学講座教授)が、毎年東北各地で開いています。本県での開催は2年ぶりです。
 世話人の寺西寧総合南東北病院長があいさつしたあと同病院消化器内科の濱田晃市医師が「胃がん、大腸がんの内視鏡治療」と題して講演。胃がん予防にはピロリ菌除菌、大腸がん予防は生活習慣が重要。 年に1回は胃カメラ、便潜血検査を受けるべき―とアドバイスしました。次いで同病院消化器センター副センター長・外科長の高野祥直医師が「胃がん、大腸がんの腹腔鏡治療」と題して講演。 傷が小さく術後の回復が早い腹腔鏡手術のメリットや習熟が必要な手術で慣れた人が複数関わって初めて良い手術が可能となることなどを分かりやすく説明しました。
 このあと南東北がん陽子線治療センターの中村達也副センター長が「消化器がんに対する陽子線治療」、東京クリニック副院長の照沼裕総合南東北病院免疫・温熱療法科長が「消化器がんに対する免疫療法」をテーマに講演しました。 中村医師は陽子線治療とはどんな治療か、対象疾患として食道・肝臓・肝内胆管がん、リンパ節再発などが挙げられると症例を挙げて解説。 照沼医師は症例を紹介しながら免疫力を活性化するハイパーサーミア(局所温熱療法)の効果などを説明しました。

27年度南東北連合学術学会開く


26演題が発表された一般演題会場

ポスター発表会場も大入り満員
500人参加し、研究成果を発表 西谷さんが総合優勝、学術学会長賞は小山医師
 南東北グループの「平成27年度南東北連合学術学会」は、文化の日の11月3日(日)午前8時半から郡山市の総合南東北病院北棟1階NABEホールなどで開かれ、 県内はじめ青森県から首都圏までの同グループ病院・施設から約500人が参加、日ごろの研究成果を披露し合いました。
 同連合学術学会はグループ7法人の病院・福祉施設に勤務する職員が日々の業務経験や研究成果を発表するもので今回は総合東京病院や新百合ヶ丘総合病院などの首都圏組が事務局となり開催しました。
 学術学会長の渡邉貞義(医)健貢会総合東京病院・東京クリニック理事長があいさつしたあと同ホールで一般演題(看護・リハビリ・介護・コメディカル)26演題、 北棟第5会議室で医師部門の11演題、中央棟大会議室でポスター演題17演題の合計54演題の発表が行われました。
 発表は医師部門が8分、一般とポスター演題が5分の持ち時間で吉本高志脳神経疾患研究所最高顧問らが研究内容などを厳しく採点しました。 その結果、「岩沼地区MCにおける映像システム導入について」と題して発表した将道会・総合南東北病院(岩沼市)救急外来の西谷佳功さんが総合優勝。 医師部門で「南東北福島病院で入院加療を行った脆弱性骨折症例における骨粗鬆症の背景と素因について」をテーマに発表した南東北福島病院整形外科の小山光久医師が学術学会長賞を受賞しました。 午後3時半から表彰式が行われ、渡邉一夫南東北グループ理事長・総長から西谷さんに優勝旗が贈られました。
 今回は午後から特別講演が行われ北里大学医学部の隈部俊宏主任教授が「神経膠腫(悪性脳腫瘍)の治療について」、東京経済綜合法律事務所の石橋達成弁護士が「パワーハラスメントの最近の裁判例について」講演しました。


当研究所の吉本最高顧問に「佐野圭司賞」


渡邉理事長と「佐野圭司賞」を披露する吉本最高顧問(右)
日本脳神経外科学会で3人目の受賞
 吉本高志(一財)脳神経疾患研究所最高顧問が、このほど(一社)日本脳神経外科学会の第3回「佐野圭司賞」を受賞しました。11月2日(月)の総合南東北病院朝礼の席上、渡邉一夫理事長から賞状が改めて伝達されました。
 同賞は東京大学脳神経外科初代教授で日本脳神経財団理事長や脳神経センター所長などを勤め、平成23年に亡くなった佐野東大名誉教授の偉業を讃えて同学会が同24年に創設した賞。学会に多大な貢献をした会員に贈られます。
 今年で3人目の受賞となった吉本最高顧問は、秋田県秋田市出身で東北大医学部卒。東北大医学部教授を経て平成14年から18年まで第19代東北大学総長を歴任。 その間に日本脳神経外科学会の初代理事長に就任し、同19まで2期理事長を務め脳神経外科学会の発展に尽くしました。 また独立行政法人・大学入試センター理事長も務め、若手の人材育成にも貢献、平成25年4月からは当財団最高顧問を務めています。


12月の医学健康講座

 総合南東北病院の12月医学健康講座は、12月17日(木)午後2時から同病院北棟1階NABEホールで開かれます。同病院心臓・循環器センターの小野正博副センター長(循環器内科)が「狭心症のおはなし」と題して講演します。
 今年度の医学健康講座は毎月第3金曜日に開催しておりますが、今回は講師の都合により第3木曜日の開催に変更となります。
 小野副センター長は狭心症の治療や原因となる動脈硬化の予防策などを分かりやすく解説します。入場は無料。送迎バスは郡山駅午後1時発、病院同3時25分発をご利用ください。

10月の手術件数

 10月の手術件数は659件。内訳は眼科214件、外科108件、整形外科59件、形成外科54件、外傷センター39件、脳神経外科35件、泌尿器科33件、耳鼻科31件、心臓血管外科28件、呼吸器外科15件、婦人科10件、 歯科口腔外科9件、放射線治療科(陽子線)7件、小児心臓外科5件、放射線科4件、循環器科3件、麻酔科2件、産科1件、周産期センター1件、消化器内科1件です。

10月の救急車台数

 10月の救急車台数は428台。時間外の受診患者さんは1287人でした。

トップページへ戻る