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禁煙宣言し、勇気もって酒席遠慮
吸いたくなったら水・茶・ガム、あきらめず挑戦
5月31日は世界保健機関(WHO)が定めた「世界禁煙デー」。
厚労省は、平成22年に「公共の場は原則禁煙」、同24年に「受動喫煙防止対策の徹底」を打ち出すとともに東京五輪が開催される2020年までに〝スモークフリーの国〟を目指し禁煙・受動喫煙防止の普及啓発を積極化しています。
交通機関や病院など公共の場での禁煙はかなり浸透してきたものの依然としてたばこが止められない人も多いようです。
健康を取り戻すために「禁煙に成功する10か条」をご紹介します。
たばこには、健康に悪影響を与える有害物質が4000種以上含まれているといわれます。
その中には60種類もの発がん物質が含まれています。
喫煙男性は、非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍高くなっています。
それ以外の様々ながんについても喫煙によって危険性が増大することが分かっています。
また肺気腫や喘息といった慢性気管支炎、呼吸器疾患、呼吸困難、息切れなどの原因になっていると考えられます。
そんな喫煙は、寿命を縮めるだけでなく〝スモーカーズフェイス〟と呼ばれる実年齢より老けた顔になってしまいます。
具体的には目や口の周りのしわが増え、口臭や歯や歯ぐきの着色、更に白髪が増えて脱毛も伴います。
たばこの煙に含まれるニコチンは麻薬のヘロインにも劣らない強い依存性を持つ薬物で、これが禁煙を難しくしています。
各種有害物質の発生は、直接たばこを吸う時に吸い込む主流煙より、点火部から立ち昇る副流煙の方が多く、主流煙は酸性ですが、副流煙はアルカリ性で目や鼻の粘膜を刺激します。しかも副流煙は、たばこを吸わない人たちにも大きな悪影響をもたらします。
禁煙のモチベーションを保つには禁煙達成の先にある効果を思い出してみることです。
例えば
●がんやその他の生活習慣病にかかるリスクが減る。それによって
①健康な生活ができる
②ぐっすり眠れて寝覚めもよい
③口臭の悩み・肩こりの改善
④臭覚・味覚が鋭敏に蘇り、食べ物がおいしく感じられる
●肌ツヤも良くなる、美容に効果的
●家族や会社の仲間、周囲の人を副流煙の害から守れる
●喫煙時間・喫煙にかかるお金を他のことに使える
(毎日たばこを1箱吸う人は1か月で約40時間、1年で20日も時間をつぶしている。金銭的には年間約15万円節約できる)
―などです。
禁煙に成功するための10か条は次の通りです。
1.職場の人や家族などみんなの前で「禁煙宣言」する。
2.禁煙宣言したら宴会や飲み会など酒の席は避ける。お酒を飲むとどうしても誘惑に負けてしまう。仕事で難しいならせめて節酒を。
3.ゆったりと音楽を聴いたり、散歩するといった、たばこ以外の楽しみを見つける。
4.コーヒーや辛いものなど刺激物を控える。
5.肉料理など油っこいものは避ける。日本食がお勧め。
6.自宅の生活エリアのあちこちに「禁煙」の張り紙を貼る。禁煙理由も書き添えて。
7.ニコチンが切れる朝にはシャワーを浴びるなど生活パターンを変えて乗り切る。
8.吸いたくなったら試してみる:深呼吸・ガムを噛む・水やお茶を飲む・歯を磨く・身体を動かす―など。
9.かかりつけ医に相談し、ニコチンガムやニコチンパッチにも助けてもらう。
10.辛いのは2週間。そこを乗り切ったら1か月、3か月とクリアしていく。
禁煙に初めて取り組み1回目で成功した人は1割ほどです。
途中でくじけて1本吸ってしまっても、それは禁煙失敗でなく「足踏みしただけ」と考えましょう。
落ち込まず、あきらめず、またチャレンジしましょう。自分のため、家族のために挑戦しましょう。
「めざせ、禁煙」。