広報誌 南東北

 

エコノミークラス症候群

 4月に起きた熊本地震の被災報道で頻繁に「エコノミークラス症候群」という言葉を耳にしました。 新潟中越地震や東日本大震災でも聞きましたが、熊本地震では被災者が、車中での避難生活を余儀なくされ、 脚部を自由に伸ばすことができず、同症候群になるケースが多く見られました。
 脚部への長時間にわたる圧迫で血液中に血の塊の血栓ができ、やがて血液によって運ばれた血栓が肺の血管を詰まらせることで突然死や重篤な症状をもたらす病気です。 飛行機のエコノミークラスで長距離旅行者に多く見られたことから名付けられましたが、 同クラスに限らずビジネス・ファーストクラス、またバスや電車、車の旅行など様々な状況で発症の恐れがあります。
 医学的に脚や下腹部の静脈に血栓ができる病気は深部静脈血栓症、この血栓が肺に飛び血管を詰めてしまう病気が急性肺血栓塞栓症です。
 座った状態で長時間働く方は1時間に1回は脚を伸ばしましょう。同時に足首や脹脛の運動やマッサージを十分行ってください。 水分をしっかり摂ることも大切です。水分不足は血液濃度を濃くし血栓ができやすくなるからです。
 エコノミークラス症候群の自覚症状には足のむくみや痛みがあります。胸の痛みや呼吸困難といった症状があるようなら重症化の恐れがあります。 直ちに医療機関に連絡するか救急車を呼びましょう。

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