広報誌 南東北

 

薬を安全に使用するために

薬の相互作用に注意 お薬手帳に服用記録を

 皆さんは薬を何種類飲んでいますか?ある調査では70歳で平均6種類以上の薬を飲んでいるとの報告があります。複数の薬を飲んでいる場合、相性が悪いと薬の成分が互いに影響して薬の効果がなかったり、反対に効きすぎたりする薬の相互作用があります。
 薬に限らず食品やサプリメントにも飲み合わせがあります。例えば一部の血圧の薬とグレープフルーツ、血液をサラサラにするワーファリンと納豆・クロレラなどは有名です。ある骨粗しょう症の薬は、牛乳と一緒に飲むと薬成分が牛乳のカルシウムとくっついて効果が弱くなります。
 アルコールと睡眠薬では、相乗効果により効果が強くなってしまうため眠気、意識の低下などが起こります。セイヨウオトギリソウ含有食品(ハーブティー)を飲むと効果が弱くなる薬も多く注意が必要です。ある種の抗うつ薬を飲んでいる方は、アボガドを大量に食べすぎると動悸、頭痛がすることがあります。医師や薬剤師などに今使っている健康食品・サプリメントなども伝えることが大切です。
 基本的に薬同士の飲み合わせは、医師・薬剤師がチェックしていますが、その情報を知るために患者さんが飲んでいる薬を記録する「お薬手帳」があります。今まで薬によるアレルギーや副作用がなかったか、同じ薬が他の病院から出ていないか、過去にかかった病気などを確認、患者さんにより安全に薬を飲んでもらえるようにしています。そのためにお薬手帳を1冊にまとめて自分が何の薬を飲んでいるかを伝えるようにしましょう。抜歯の際には、一時的に服用を止めなければならない薬もあるので歯科にもお薬手帳を持っていきましょう。

(参考:厚生労働省HP・日本老年医学会・くすりの適正使用協議会HP 薬剤科 柳下博信)

トップページへ戻る