広報誌 南東北

 

「がんが自然に治った」とされる人々がしていたこと

共通するのは〝心の持ちよう〟科学的裏付けなく、あくまで仮説


「1日1日を大事に楽しく」と話す和田医師
「自分の生き方」見つけが大事 自然体で日々を大事に、楽しく
 自分や家族が「がん」と分かった時、治療や生き方についてどのように考え、どう対応したらいいのか悩みは大きいものです。 10月12日(水)に南東北がん陽子線治療センターで開かれた「がんサロンほっと」で総合南東北病院放射線治療科の和田仁医師が「がんが自然に治ったとされる人々がしていたこと」と題して話した内容を要約して治療や生活の対応法などを考えます。
 がんの治療にはいろいろありますが、手術・抗がん剤・放射線が西洋医学の3本柱です。 私は放射線治療を担当していますが、3本柱はどれも身体の一部を傷つけてしまいます。 「がんを自分で治せる方法ってないのかな?」と医学書でない本もいろいろ読んだりしています。 その中から2冊ご紹介しようと思います。 今日のお話は、ご自身でできることであり、またご自身でしかできないことでもあり、知っていて損はない内容だとも思っています。
 1冊目はケリー・ターナー著(長田美穂訳)の「がんが自然に治る生き方」です。 原著は米国Amazonがん部門で1位、ニューヨークタイムスベストセラーになったことがあるそうです。 がんが自然に治った(自然治癒)とされる事例について著者自ら世界各国に出向き、約100人にインタビューし調査したことをまとめたという本です。
 この中で著者はがんの自然治癒を体験されたとされる人たちによる「9つの共通する実践項目」を抽出しています。 ①抜本的に食事を変える ②治療法は自分で決める ③直感に従う ④ハーブとサプリメントの力を借りる ⑤抑圧された感情を解き放つ ⑥より前向きに生きる ⑦周囲の人の支えを受け入れる ⑧自分の魂と深く繋がる ⑨どうしても生きたい理由を持つ―の9項目です。 なんと7項目が「心の持ちよう」だったそうです。残念ながら医者の項目はありませんね。
 ただし、ここで気をつけなければならないのは、この9項目はきちんと科学的裏付けされた理論ではなく彼女の仮説だということです。 9項目を実践したら、がんが治るというのは「偽りの希望」です。 あくまでがんの劇的寛解(かんかい)の起因だったと思われる項目に過ぎません。 さらに注意すべきは、著者が書いている〇△療法といった具体的な対応策も必ずしも正しいとは限らず、鵜呑みにしてはいけない点です。
 具体的にどの薬が、どの療法が有効だったかではなく、そういう手段を通じてその人が「どう生きたか」ということが重要だったようです。
 どうして自分はがんになったのか、どうして生き続けたいのか、生きる道があるならどのために何ができるのか、がんという病状になって「自分の生き方」を見つけだした、万能の処方箋ではなく自分だけの処方箋を自ら見つけだしたことが、どうやら大事だったということらしいのです。
 2冊目は、ガンの辞典編集長の小澤康敏著「ガン克服のための3つの物差し~適切な療法を自分で選ぶには?」です。 小澤さんが、10年間にわたり自然に治ったとされる患者さんやがん医療に携わる人々を取材して〝がんの治し方〟をまとめた本です。
 「ガン治しの正解は探すものではない。正解は自分で作るものである」。 この本の中で著者は①絶対的なガン治療法は、ない。万人に効く治療法は存在しない②ガンを治す鍵はあなたにとって最良の生存をすること ③ガン克服には3つの物差し(病気、元気、いのち)がある―と書いています。 この3つの物差しのうち病気の物差しはガンですが、元気の物差しはからだ全体、いのちの物差しは人生―だそうです。 ガン細胞にばかり目を向けず、ガンであっても自分の人生を全うしよう、と彼は書いています。
 2冊の本の中で紹介されている方々、実際には何らかの西洋医学療法が施されている場合が、かなり多いようですが、 どうもそれだけでなく生き方の本質的な部分を変えていく(本来の自分を取り戻す)のが大事だったようです。
 このことは今回紹介した本だけでなく奇跡的に(?)自然治癒を達成されたという方々が口を揃えて強調しています。 「これなら治る」という絶対的な方法はおそらくありませんが、心の習慣を変えることによって、食べ物も含めた生活習慣が変わり、それが人生の変化につながっていき、 結果としてがんも〝治っていく〟らしいのです。
 ご本人次第ですが「自分は治る、治る力がある」という良いイメージを持つことで自己免疫力も高まるかもしれません。 自分にマイナスのプレッシャーをかけず自然体で1日1日を大事に、毎日を楽しく過ごしましょう。


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