広報誌 南東北

 

メディカルフィットネスさくらだより

始めよう転倒予防!デュアルタスク能力について知っていますか?

歩いて引き算、座ってクイズ 〝ながら族〟になって転倒防止
 高齢者に限らずとも人は日々転倒の危険性があります。加齢に伴い転倒の危険性、発生率ともに高まることは周知の事実であり、比較的健康な一般高齢者の転倒発生率は20~30%。 さらに筋力低下の著しい高齢者や要介護高齢者では転倒発生率が約50%にも及びます。 ここで重要なのは、比較的元気な高齢者でも20~30%は転倒しているということです。転倒原因を運動機能の衰えだけで説明することはできないということです。 比較的運動機能が保たれている高齢者が転倒してしまう要因としてデュアルタスク能力があげられます。 日常において、「テレビの音を聞きながら新聞を広げ、朝食を食べる」といった複数の課題を同時に行う場面が多々あります。 この2つの課題を同時に実行することを「デュアルタスク」といいます。加齢に伴い2つ以上のことを同時に行う能力が低下します。 そこで転倒を予防するトレーニングとしてデュアルタスク能力を維持・向上させる運動を紹介します。
《歩いて行う課題》
◇認知課題=100から3ずつ引き算をしながら歩く。
◇運動課題=コップに入った水をこぼさないように歩く。
《座って行う課題》
❶椅子から落ちない程度に浅く腰かける。
❷初めに5秒間なるべく速く、多く足踏みをする。
❸クイズ形式で「『あ』から始まる言葉」「都道府県名」などをたくさん言ってもらう。
❹③のクイズをたくさん答えながら、同時に5秒間なるべく早く、多く足踏みをする。
❺④を何セットか行う「デュアルタスク」。

(メディカルフィットネス さくら 理学療法士 中野竜治)

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