地球環境とくらし


化学物質の有害性と安全対策

 
 私たちの周囲には、プラスチックや塗料などさまざまな化学物質が使用されています。一見、化学物質が使われていないようにみえる金属製品にもメッキや塗装のために使用されています。これらの化学物質は、不適切な使い方をすると思わぬ事故や汚染の原因になります。
 
●化学物質と安全性
 化学物質は、目的によって、使用量や頻度などの使い方が定められています。
 化学物質の健康影響について、従来は大人を基準に評価していました。しかし、大人には影響がないと思われる量の化学物質でも、子どもには、成長過程であること、体重当たりの食品等の摂取量が多いことなどの理由で将来に影響が出ることが懸念されます。
 中でも鉛は、神経に影響を及ぼす有害な化学物質といわれており、特に成長期の子どもにとって注意すべき化学物質で、「子どもの環境保健に関する8カ国の環境指導者の宣言書」 (1997年マイアミ宣言)では、対策が必要な化学物質の一つに挙げられています。このようなことから東京都環境局では、塗料に含まれている鉛や樹木に使用される殺虫剤について「化学物質の子どもガイドライン」を作成しました。
 
●化学物質の子どもガイドライン
〜抜粋〜
@塗料には、鉛が含まれていることがあります。塗料を使用する場合は、表示を確認して鉛を含まない製品を選びましょう。塗装皮膜の剥離(はくり)による周辺環境の鉛汚染を防ぐため、塗装面を良好に保全しましょう。また、塗り替えるときは、飛散防止対策を行ってください。
A学校など子どもが多く利用する施設の樹木に殺虫剤を使用するときには、子どもへの影響を防ぐため、事前周知など、殺虫剤散布に関して意見交換と情報提供を行いましょう。

 散布を行う場合は、風向きや周囲の状況等に注意するなど、散布による殺虫剤への子どもの接触を減らしてください()。
 また、樹木の害虫の発生状況に注意し、早期発見や対応を心がけるなど殺虫剤を使わない害虫防除法も取り入れましょう。
 
●化学物質使用の心得
 日常生活を便利で豊かにしてくれる化学物質ですが、一歩間違えると思わぬ問題が生じます。人体に直接害を与えないと考えられる化学物質でも環境中に排出されると光化学スモッグやオゾン層破壊の原因となるなど影響を与える場合もあります。化学物質を使用するときは、説明書等をよく読み理解したうえで使用しましょう。
 
 
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福祉サービスとくらし

 
高齢期の住まい


 高齢者住宅には、元気な自立高齢者向けのものから、介護スタッフが常駐し、重度の要介護状態まで対応できる「施設」に近いものまで多種多様で、提供主体や入居条件、設備、サービス内容、費用、支払い方法などさまざまです。
 
●高齢者住宅のいろいろ
 図中の@はバリアフリーの公的賃貸住宅で、生活援助員が緊急時対応や生活相談などの日常生活支援を行います。Aは都道府県知事の認定を受けた民間事業者などが提供するバリアフリーの賃貸住宅で、緊急時対応サービスがあります。所得が一定基準に満たない人は、家賃補助を受けられます。Bは社会福祉法人・医療法人や自治体等が提供し、食事や日常生活支援程度のサービスがつきます。Cは痴呆状態にある高齢者が家庭的な環境のなかで少人数で共同生活を行い、痴呆の進行や症状を緩和しようというものです。Dは民間事業者などが提供し、料金体系もサービスも多様です。介護サービスの利用の仕方により「介護つき」「住宅型」「健康型」の三つの類型があります。Eは高齢者住宅財団が定める建物・サービスの基準を満たした住宅です。
 
●介護サービスについて
 図中で介護サービスがついているものは、主としてBとDのうち、介護保険の「特定施設入所者生活介護」の指定事業者になっているもの、およびCです。要介護者に対して介護スタッフが3対1の割合で配置されています。それ以外は自宅と同様、外部の居宅サービスを利用することになります(注・Dの「健康型」は要介護状態になったら退去しなければならない)。ただし、「介護つき」や「ケアつき」と称している住宅でも、提供されるサービスの質はさまざまですから、どのようなスタッフにより、どのようなサービスが受けられるのか、確認が必要です。
 
●契約形態について
 高齢者住宅の居住部分の契約形態には、賃貸方式と終身賃貸方式、終身利用権方式があります。特にDに多い終身利用権方式とは、入居する際にまとまった一時金を支払い、居室や共用施設を終身利用する権利を得るというものです。この入居一時金は、入居者が一定期間内に退去した場合は通常償却分を差し引いた金額が返還されます。ただし、償却期間や初期償却の割合がホームごとに異なりますので注意が必要です。
 
●選ぶときのポイント
 まずは自分自身の経済状態や健康状態、希望する老後のライフスタイルから考えて、どの種類の住宅が適当か選びます。そして、自治体の窓口や各協会等で情報収集をし、できるだけ複数のホームを見学・体験入居しましょう。
 また、契約の前に重要事項説明書を取り寄せ、受けられるサービスの内容、入居一時金の取り扱い、月々にかかる費用、退去条件等の契約内容を、納得がいくまでしっかり確認することが重要です。
 
 
国民生活センター 『くらしの豆知識2005年』 より

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