フルーツの効き目!
〜生活習慣病とフルーツの関係〜
フルーツにはたくさんの色素成分やポリフェノールなど抗酸化成分が含まれています。
生活習慣病を遠ざけ、若々しい肌を保つため、あれこれ工夫をして1日200gを目標に補給しましょう。
 
 フルーツや野菜には、「悪玉」である活性酸素の害を抑える抗酸化物質がたくさん含まれています。
 光合成によってエネルギーを生み出す植物にとって、日光は生きていくために欠かせないもの。しかし、そんな植物にとっても、紫外線によって発生する活性酸素は大敵なのです。植物は自らの身を守るために抗酸化成分を作りだしています。
 ポリフェノールという植物特有の渋み成分や、力ロチノイドなどの鮮やかな色素成分は、この抗酸化成分の代表例です。
 例えば、オレンジのだいだい色には、色素成分の中でも特に抗酸化力が強いベータクリプトキサンチンが、グレープフルーツは、ダイエット効果の高い香り成分リモネンや、苦み成分ナリンギンが豊富です。
 リンゴは外皮の色素成分(赤や緑)に加え、中身には食物繊維のペクチンをはじめ、ポリフェノール、カリウム、リンゴ酸と4大健康成分が詰まっています。
 また、ブドウは濃い紫色のもととなっているポリフェノールが、健康成分として有名ですね。
 調理して食べることが多い野莱に比べ、生のまま食べられるフルーツは、抗酸化成分が熱などで壊れることが少なく、効率良く摂取できるのです。1日に2回、200gを目安にたっぷり食べたいものですね。
 
 
リンゴ
食物繊維、ポリフェノール、カリウム、リンゴ酸
4大健康成分が勢揃い!
 「リンゴが赤くなると医者が青くなる」。こんなことわざがあるほど古くから親しまれてきた健康果実のリンゴは、健康成分が盛りだくさんのフルーツです。
 リンゴは、食後の血糖値の上昇を抑制し、満腹感が長続きするため、ダイエットを成功させやすい食材といえます。
 まず注目したいのが、水溶性繊維のペクチン。悪玉コレステロールを下げるほか、便通の改善や血糖値の上昇抑制の作用があります。このペクチンの含有量は果物・野菜の中でリンゴがトップクラスです。リンゴのペクチンが、アレルギーの原因物質ヒスタミンの血中濃度を低減したという臨床試験のデータもあります。
 抗酸化成分のポリフェノールも要注目。腸内環境の改善や老化防止、脂質代謝改善などのほか、抗アレルギーや肌の美白作用があることも分かっています。
 血圧を下げるカリウムや疲労回復によいリンゴ酸も豊富で、リンゴジュースを飲むと、体の免疫力が高まるというデータも注目されています。
有効成分
●ペクチン
 便通を改善してコレステロールを下げる水溶性の食物繊維。
●カリウム
 高血圧の原因となるナトリウムの体外排出を促進する。
●リンゴポリフェノール
 抗酸化力が強く、生活習慣病やアレルギーを遠ざける。
●リンゴ酸
 疲労回復効果がある有機酸の一つ。歯の黄ばみを減らす効果も。
 
 
ブドウ
抗酸化成分のポリフェノールが豊富
痴呆の原因酵素の働きを阻害する成分も
 ブドウを代表する健康成分は、抗酸化力が強いポリフェノール。鮮やかな赤紫の色素そのもの、あるいは色素の素になる物質が、このポリフェノールに含まれます。
 フランス人は高脂肪食を続けているのに心臓病になる頻度が低いのはなぜか。この「フレンチ・パラドックス」の説明として赤ワインに含まれるポリフェノールの健康効果が有名になりました。ワインに含まれるポリフェノールは、ブドウからワインに移行したものです。
 赤紫色のポリフェノール成分であるアントシアニンは、眼精疲労を改善する効果が高く、色素成分の素となるプロアントシアニジンは美白効果が高いのです。
 さらに、ブドウの実は、痴呆の予防につながる酵素PEPを阻害する作用を持つペンタペプチドという成分も含んでいます。これも最初は、ワインから見つかった注目成分なのです。
 また、果糖(フラクトース)に比べると量は少なめですが、直接脳にエネルギーを供給するブドウ糖も豊富に含まれています。 
有効成分
●アントシアニン
 抗酸化力が強いポリフェノール成分(赤色)。眼精疲労を改善する。
●ペンタペプチド
 脳の神経伝達物質を分解してしまう酵素(PEP)の働きを阻害する。
●プロアントシアニジン
 抗酸化力が強いポリフェノール成分(無色)。美白効果が高い。
●ブドウ糖(グルコース)
 直接脳のエネルギー源になる糖質。果実の中ではブドウに多い。
 
 
オレンジ
強力な抗酸化成分ベータクリプトキサンチン
1個で1日分のビタミンCを補給できる
 オレンジにはビタミンCをはじめとする抗酸化成分が盛りだくさん。果実はもちろん、ジュースとして最も多く流通しているだけに、生活習慣病の予防や美肌に欠かせないフルーツです。
 鮮やかなだいだい色そのものが健康成分。例えば、その色素にはベータクリプトキサンチンが含まれています。オレンジの代表格で最も流通量が多いバレンシア種には少ないですが、ネーブルや温州(うんしゅう)みかんなどのマンダリン種には多く含まれています。
 このベータクリプトキサンチンは、脂肪や皮膚などの末しょう組織に蓄積して酸化から体を守ってくれます。ほかの色素成分に比べて吸収されやすく、1日1個分の量でもがん予防効果を発揮しうるほど、抗酸化力が強いのです。
 また、オレンジは代謝を高める作用が強いことも知られています。血管を強くするビタミンPの一種ヘスペリジンが、血液の流れをよくしてむくみを抑え、代謝アップに寄与しています。
 さらに精神疲労を緩和する抗ストレス効果が高いことも分かってきました。
有効成分
●ベータクリプトキサンチン
 濃いだいだい色の成分。抗酸化力が強く少量でがんの発生を防ぐ。
●ヘスペリジン
 血管を強くするビタミンPの一つ。血流をアップする効果が高い。
●ベータカロチン
 抗酸化力が強い脂溶性のビタミン。皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
●ビタミンC
 抗酸化力が強い水溶性のビタミン。コラーゲンを増やす美肌効果も。
 
 
グレープフルーツ
香り&苦み成分がダイエットに効く
血液サラサラ効果で生活習慣病を防ぐ
 フルーツの中でも特にカロリーが低いグレープフルーツは、食生活に取り入れるとダイ工ット効果を得やすいフルーツです。リモネンなどグレープフルーツに多い香り成分は、血流をアップして代謝を高める作用が強く、ナリンギンなど苦み成分は食欲を抑制して食べ過ぎを防ぎます。
 グレープフルーツの種類の中には、中身の果肉が鮮やかなピンク色をしたピンク種や、もっと赤っぽい色のルビー種があります。
 この色は、トマトに多い赤い色素成分のリコピンがグレープフルーツに含まれているためです。リコピンは心臓病やがんの予防に役立つことが知られています。
 ピンク種やルビー種は、リコピンが加わった分、通常のホワイトグレープフルーツよりも健康効果が高いと考えられています。
有効成分
●リモネン
 血流をアップしてダイ工ット効果が高い香り成分。
●リモノイド
 解毒作用が強い苦み成分。コレステロ−ルも下げる。
●ペクチン
 便通を改善してコレステロールを下げる水溶性の食物繊維。
●ナリンギン
 食欲を抑制する苦み成分。血管を強化する働きも強い。
●オーラプテン
 抗酸化力が強く、血液サラサラ効果が高い風味成分。
●クエン酸
 新陳代謝をアップして疲労を回復する有機酸。
 
 
ジュースで手軽にたっぷりとフルーツを
 ビタミンC、ポリフェノール、カリウム、食物繊維、ク工ン酸など、健康維持に欠かせない栄養成分の宝庫であるフルーツ。
 皮をむけば、すぐにおいしく食べられるフルーツは、調理によって損失しやすいビタミンCの重要な供給源です。ビタミンCはフルーツに含まれるク工ン酸などの有機酸によって安定するなど、各々の成分が共存しあっているので、健康効果も高いのです。
 
朝のジュースはお薦め
「体にいいフルーツをもっと食べなくちゃ」と思っていても、なかなか実行できない人にお薦めしたいのが、フルーツジュースです。
 ジュースなら、コップ1杯分(200cc)で、オレンジで2個分、グレープフルーツで1個分をとれるので、1日200gの目標摂取量を満たすことができます。
 
ジュースを自分で作るうえの豆知識
●リンゴは砕いた時点から褐色に変化します。これもポリフェノールが豊富な証拠ですが、ク工ン酸が含まれるレモン汁やグレープフルーツを加えれば、酸化を抑え、変色を防ぐことができます。

●果物はミキサーで砕いて空気に触れると、ビタミンCが壊れやすくなります。作ったらすぐに飲むことが大切です。

●さわやかな香りと酸味、やさしい甘みが調和するフレッシュなフルーツジュースで、胃も腸も肌も血管も、内側から元気にしましょう。
 
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