知って安心
薬の基礎知識
 
《薬の使用期限って?》
 急な発熱で薬箱を開けてみると、使用期限を1年も過ぎた解熱剤しかない。というのはよくあることですね。使っても害はないだろうかと不安になるものですね。
 そもそも、薬の有効期限は製造から3〜5年、開封から1〜2年です。食べ物は賞味期限が過ぎると味が落ちるが、食べられないというわけではない。これと似た話で、薬の使用期限が過ぎていても薬の効能がゼロになるわけではありません。実際は徐々に効能が失われます。
 軟膏は油分が多く成分が分離しやすいので、時間が経つとともに二層に変化する。こんな状態のものは混ぜればよいというわけにはいかないので捨ててしまいましょう。
 最近の薬には瓶のレッテルやチューブ本体に使用期限を印刷したものもありますが、ないものもまだ多いので、開封の日付と使用期限を瓶本体などに記入しておくことをおすすめします。
《常用すると怖い薬》
 咳止め薬の成分にリン酸コデインというのがあります。
 医者が処方するのはこれを100倍に薄めたものですが、処方薬も飲み続けていると「コデイン中毒」を起こしてやめられなくなります。
 例えば、市販の総合感冒薬の中にもリン酸コデインが含まれているものがあります。塩酸エフェドリン、塩酸ブロムヘキシンなどコデインに似た成分を含んでいるものもあります。内容成分をよく確認して、これらの薬は快方したらすぐにやめましょう。吐き気止めや抗ヒスタミン剤も習慣性が強いので注意が必要です。
 目薬の成分にも習慣性を持つものがありますし、リップクリームも「クリームを塗る習慣性」がついて、皮膚が過保護になり、唇が薄くなるという弊害も考えられますので注意が必要です。
《常用をやめると怖い薬》
 「血圧の薬を飲みだしてから頭痛もしなくなったし、肩から後頭部にかけての重苦しさがとれたし、とても調子がよい。しばらく薬はお休みしよう」と考える人がいますが、これはとても危険なことなのです。
 例えば、自宅の血圧計で測り、下がってきたからもう薬は卒業、と思い血圧を下げる薬を飲まないでいると、血圧が急に上昇して血管に大きな負担が突然かかり、弱い血管ならその負担に耐えられず破れてしまう危険性があります。
 糖尿病の薬も勝手にやめたりすると血糖値が上昇して高血糖(糖尿病が悪化したのと同じ状態)を招いてしまいます。薬は調子が良くなっても指示されたとおりに飲むことが大切です。
 その一方で、血圧が下がっているのにいつまでも同じ量の薬を処方されることを防ぐには、調子が良くなった理由を話すと良いでしょう。「一駅手前で電車を降りて20分歩いて帰ることを毎日実行しています」「この3ヶ月で3kg痩せました」など、薬を飲む以外に実行していることを医師にアピールすることが大切です。
 医師はそれらのことを考慮に入れて薬を処方するはずです。
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