かぜ・インフルエンザ対策
 冬も本番になると、病院の外来は、かぜやインフルエンザで苦しむ患者さんでいっぱいです。
 一般的にかぜと呼ばれるものとインフルエンザの違いは、もう皆さんよくご存知の通りですが、予防するにも、両者の特徴を理解しておくことが大事です。
なぜ、かぜやインフルエンザにかかるの?
 かぜ、インフルエンザは、主にウイルスに感染して急性の炎症が起こります。ウイルスに感染した人の咳やくしやみで空気中に飛び散ったものを吸い込んだり、ウイルスが付いた手で鼻やロをさわったりして体内にウイルスを侵入させてしまうのです。
 ですから、家族の1人がかぜやインフルエンザにかかると、次々と感染します。抵抗力の弱い子供や、お年寄りが感染しますと、合併症を引き起こし命にかかわることも否めません。人間には免疫力が備わっていて、通常はウイルスを排除することができるのですが体調不良などで、免疫力が低下していたり、ウイルスの感染力が強い場合ウイルスが鼻や喉の粘膜に取りつき炎症を起こします。炎症が進むとウイルスは細胞に入り、どんどん増えて、やがて細胞を飛び出して血液を解して全身に広がってゆくのです。
かぜとインフルエンザの症状の違い
 かぜとインフルエンザでは、原因となるウイルスの種類が違います。インフルエンザは乾燥した空気中を長時間にわたり大量に浮遊するため感染しやすく、流行します。
 12〜3月頃がインフルエンザの流行期となります。
 潜伏期間(病原体が身体のどこかに潜伏して、まだ症状を呈するに至らない期間)はかぜが1週間前後、インフルエンザは1〜2日と短く、インフルエンザウイルスが1個体内に侵入すると24時間後には100万個に増えるという増殖力です。そのため症状もインフルエンザは重く、38℃以上の高熱が出て、頭痛、筋肉や関節の痛み、嘔吐、下痢、などの強い全身症状が起こってぐったりします。
 一方、かぜは平熱〜微熱で喉の痛み、咳、鼻水などの呼吸器症状が中心です。
普通のかぜをひいた場合は
 かぜのひき始めは、休息が第一です。症状を悪化させないようにこまめにうがい、手洗いをし、栄養をバランス良くとり安静にします。軽い症状には市販のかぜ薬を飲むことも有効です。食欲がない、熱が続くなど症状が重い場合や、高齢者、子供は医療機関を受診しましょう。
インフルエンザワクチンの接種
 各医療機関に問い合わせれば、ワクチン接種を行っているか分かりますが、
接種する場合は12月の初めぐらいまでしておくことがよいでしょう。
効果が現れるまでに2週間前後かかるのです。
特にインフルエンザワクチンの接種をすすめられる人は、
高齢者、肺や心臓などの疾患がある人です。
医師に相談することをおすすめします。
インフルエンザの症状が出たら
 まず医療機関を受診します。ここで皆さんに守って欲しいマナーがひとつあります。かぜやインフルエンザなどのウイルスによる感染が疑われるので、受診するときには必ずマスクを着用して欲しいのです。病院には、色々な病気で来院されている患者さんがいます。病気の人は抵抗力が弱っていますので、インフルエンザのウイルスに感染するとたちまち重い症状になる可能性が高いのです。マスクを着用し他の患者さんへの配慮をお願いします。
 医療機関では、鼻の粘膜にインフルエンザウイルスがいるかを調べます。発症から48時間以内であれば、抗インフルエンザウイルス薬が有効ですが、年齢や症状経過日数なども考慮し、医師が判断します。
 家に帰ってからは、安静が第一です。熱が下がると動きたくなるものですが2〜3日は安静にし、体力の回復を待ちます。室内を加湿し、うがいと手洗いをこまめに行うと、喉や手に付着したウイルスを洗い流せます。
かぜやインフルエンザにかかりにくい体を作る
 かぜやインフルエンザにかかりにくくするためには、ウイルスに負けない抵抗力を付けることです。体が疲れているときや寝不足が続いているときなどは要注意。インフルエンザの流行時は特に体調に気を配って欲しいものです。
・普段から栄養バランスの取れた食事を心がける
・ビタミンCが不足しないように
・毎日、十分な睡眠をとる
・体力をつける(運動を習慣づける)
・疲れを溜めこまない
 
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